今日のお手紙

     

世にも楽しいコインランドリー@ポートランド

2015年9月8日のお手紙

ポートランドのコインランドリーの話を個人のSNSでポストしたら存外反響があったので、「お手紙」でも紹介してみたいと思います。

世にも不思議なこのコインランドリーの名前は「Spin Laundry Lounge」(以下、SLL)。「Laundry」の後に「Lounge」が付いているのが、この店のスピリットを表しています。

ぼくの友人(女性)曰く、日本のコインランドリーは「恐い」というイメージがあるとか。一方、ここSLLのイメージはずばり、以下の3つの形容詞で表現することができます。

1.明るい
2.可愛い
3.楽しい

1.明るい

一歩なかに入るとわかるのですが、とても開放感のある空間なのです。天井が高く広い空間の中に、ピカピカの洗濯機が整然と並んでいます。日本のコインランドリーに見られるような「暗さ」がまったくない。おや、奥のほうを見るとなんだか楽しそうな空間が…

2.可愛い

あらゆる場面で、デザインにとても気をつかっているのがわかります。ランドリーバッグ、シルバーのカウンター、ミントグリーンの壁、その壁に洗濯機を埋め込んでいるところ、柱だけでなく基盤のボックスまで黒く塗ってしまうところ、そしてアイコンのグラフィックデザインのかわいさ(それを額装してディスプレイするアイデアなんて、ありそうでなかったですよね)。「コンランドリーが可愛くて何が悪い!」というメッセージを発しているような。

3.楽しい

なんと、このコインランドリー、カフェを併設しているのです! とってつけたようなカフェではなく、クラフトビールもワインもカプチーノも飲めるカフェ。壁にはプロジェクターでスポーツ中継を流し、中2階にはゲームコーナーまであり、なんとも楽しいムード。2つあるトイレも、とてもきれい。フリーwi-fiも完備!

洗濯機を回している人がカフェでひとやすみしたり(洗濯を待っている間にクラフトビールを一杯…サイコー!)、パソコンを開いたり、という流れは当然のことながら想像出来るわけで、実際、いつ行っても賑わっています。

ぼくも長らく東京でひとり暮らしをしていたのでコインランドリーを利用した経験はたくさんあるのですが、コインランドリーというのは都会のメランコリックな部分を凝縮したような場所だと思うのです。自分がひとりであることを決定的に理解させられてしまう場所。周りには人がたくさんいるのに、誰から見ても自分が他人であることを理解させられてしまう場所。だいたいコインランドリーに行くときは予定がないときなので、孤独感を助長させます。洗濯機の中で洗濯物がまわっているその時間はいわば、いつも感じているけれどいつも気づかないふりをしていた都会生活の孤独と向き合う時間なのではないでしょうか。

しかし、その孤独とは悲観するばかりのものではなくて、ちょっと心地良いものでもあります。孤独であるからこそ獲得出来るある種の自由さとセンチメンタリズム。つまり、コインランドリーというのは、「孤独であることの心地良さ」を満たすことの出来る可能性を持った場所なのではないかと。

実は今この手紙を他ならぬSLLのカフェで書いています。「自分が居ても良い場所」(自分の居場所、ではなくてね)という雰囲気が漂っていて気楽なんですよねぇ。

聞けば、SLLのオーナーは若い女性とか。卒業論文のために書いたビジネスプランが認められて、そのまま起業したんですって。ポートランドらしいね。

この形態、調布でやってみたいなぁ。ランドリー+カフェ、手紙社ならそれに本屋さんをつけても良さそうだ。調布市さん、協力してくれないかな(笑)。話題になると思うのですけれど。

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