今日のお手紙

     

【松本寛司 個展『日常に木を感じる生活』 at 手紙舎 2nd STORY 8/1〜13】工房を訪ねて

8月1日の個展初日まで、あと2週間に迫ろうとしています。松本寛司さんの、浮遊するような、それでいて触覚的な木工作品の数々がどのような場所から生まれてくるのか。工房を訪れる機会が今年のはじめ、そして1か月前の2度ありました。制作過程よりも、どんな場所に身を置いて制作しているのか、というところにどうしても興味が湧きます。

愛知県豊橋市の作家宅から車で走ること40分。渥美半島の、太平洋が目と鼻の先にある静かな土地にその工房はありました。制作の合間でも、趣味であるサーフィンに思い立ったらすぐでかけられる場所。サーフィンは木工で負担のかかる腕や腰の調子を整えるのに最適なのだそう。しかしそれ以上に、誰もいない海で波に体を委ね、何も考えずに揺られることで、地球と一体となる感覚が得られ制作へのインスピレーションにつながるのだといいます。

工房は大きく分けて2部屋。木の板から電ノコやサンダーでざっくりと形を切り出す“作業場”的なスペースと、ナイフやノミで削ったり、亜麻仁油を刷り込んだりして仕上げる“アトリエ”的なスペース。静謐の中に様々な木の香りが充満していて、その場にいるだけで、作家の感性や作業時の緊張感がひしひしと伝わってくるようです。

制作の現場に触れ、お話を聞いていると、松本さんの普段の生活や思想の延長線上に作品があることがわかります。作家になりたての頃は、もっと鋭角的な作品をつくっていて、「この技術、どうだ!」という気持ちが強かったそうです。現在の松本作品には、すっとその木肌に吸い寄せられるような気配があります。「丸くなった」というのとは少し違いますが、長く手に馴染ませて使われていって欲しいという思いが満ちているように感じます。渥美の海、そして一番の理解者である家族との生活が、作品の表情を豊かにさせているに違いありません。

今回の個展では、日常使いのお皿やカトラリー、カッティングボードはもちろん、松本さんの真髄が垣間見られるようなアート作品も並ぶ予定です。東京でこれだけの作品を手に取り、見ることのできるまたとない機会、ぜひお見逃しなく!

【松本寛司 個展『日常に木を感じる生活』 】
会期:2017年8月1日(火)~8月13日(日)
※8月7日(月)は定休日
営業時間:12:00~23:00(22:00 LO)
場所:手紙舎 2nd STORY
東京都調布市菊野台1-17-5 2F
tel.:042-426-4383
松本寛司公式サイト:KANJI MATSUMOTO

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