今日のお手紙

     

【瀬川辰馬「陶展」@手紙舎鎌倉店】アトリエ訪問記その1

手紙舎鎌倉店では、2月22日から3月12日まで、陶芸家・瀬川辰馬さんの個展「陶展」を開催します。手紙舎では初めての個展となる瀬川さん。瀬川さんの魅力をもっと知りたいと、先日、千葉にあるアトリエを訪問いたしました。その様子を、鎌倉店スタッフ・藤井千夏がお届けします。

昨年12月のある日、千葉県長柄町にアトリエを構える瀬川辰馬さんを訪ねた。都内から車で1時間半。途中、東京湾に浮かぶ“海ほたる”に立ち寄って、小さな旅に出かけるようなワクワクと緊張とが入り混じりながら、若き陶芸家、瀬川さんはどんな方だろうかと思いを馳せた。

アトリエは、冬の静かな田園風景が広がる集落の中にあった。周囲はゆるやかな山に囲まれていて、包まれているような安心感のある場所だ。アトリエのすぐ横には穴窯があって、煙突からはうっすらと煙があがっている。「こんにちは!」われわれを見つけた瀬川さんが、手をあげて出迎えてくれた。

今日は、瀬川さんが2017年にこの地へ移り住んでからはじめての窯焚き(窯で陶器に火を入れること)とのこと。
「せっかく来ていただいたのでお見せしたかったのですが、思ったよりも火の勢いがすごくて。今日の明け方3時ごろに火を止めてしまいました。火を止めたあとは、冷めるまで3日ぐらい待たないといけないんです……。今もまだ、内部の温度が700度ぐらいあると思います。ちょっとのぞいてみますか?」

挨拶もほどほどに、薪窯のほうへ。石組みのすき間から恐る恐る中をのぞくと……ほんのり赤く光る窯の中からじんわりと熱気が。中は赤くぼんやりしてよく見えなかったが、この熱気の中に瀬川さんの器がたくさん入っているのだと思うと、緊張感とともに胸が高鳴った。瀬川さんはそれまで都内で電気窯で制作されていたそうだが、火を焚いて窯で制作するというのはどんな心持ちなのだろう。後編では、瀬川さんの“白”ができるまでのお話などをお届けしたい。どうぞお楽しみに。

【瀬川辰馬 陶展 】
会期:2018年2月22日(木)~ 3月12日(月)
作家在廊日:3月4日(日)
営業時間:11:00~18:00
定休日:火・水曜日
場所:手紙舎 鎌倉店(神奈川県鎌倉市長谷2-5-41)
tel:0467-38-5035

【瀬川辰馬プロフィール】
千葉県在住。多治見市陶磁器意匠研究所 デザインコース 修了後、2017年に千葉県長柄町に築窯。アトリエを拠点とし、日用雑器の制作に取り組む。受賞歴に、第59回ファエンツァ国際陶芸ビエンナーレ入選、SICF16審査員賞(三木あき子氏)等。

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