tegamisha

前略 しばらくぶりに手紙を書いたのにはわけがあります。
つい先日私は、素晴らしい音楽に出会ったからです。
それは、教会音楽の合唱です。いまどき合唱? と思うかもしれません。
でも一度聴いてみてください。あまりにも美しい歌声に、
ちょっと疲れ気味のあなたの心もきっと、穏やかになると思うんです。
ぜひ一度聴いてみてください。8人の女の子たちが紡ぎだす歌声を。 草々

|第2回|メンバーの出会いと、CDデビューまで|

 住む街も、通う学校もバラバラだった8人の少女に共通していたのは、歌が好きだったこと。そもそもの出会いを太田さん、HIROさん、MINAさん、MIHOさん、MAKAさんにうかがいました。

お手紙 そもそも皆さんが知り合ったのはいつですか?

太田 子どものときに、みんな同じ合唱団にいたんです。

お手紙 本当に? みなさん、同い年なんですか?

太田 私が一番上で、HIROがひとつ下、MINAがふたつ下、MIHOは4つくらい下だよね。

HIRO いや、違うよ、MINAは私と同じだよ!

全員 HIROは年齢にはうるさい(笑)

お手紙 子どもの時というと…

太田 小学生のときですね。学年も違うし、入った時期もずれてるから、メンバーみんなが同時期に在籍していたわけではないんですけど。

お手紙 じゃあ、みんな、近所に住んでいたんですか?

太田 いえ、大久保にあった合唱団で、いろんな地域に住んでいる子が集まってくるんですよ。試験を受けて。

お手紙 試験! 隊員は何人くらいいるんですか?

太田 私達の時は100人くらいですかね。

お手紙 そんなにたくさん! 女の子だけですか?

太田 少年少女合唱隊なので、男の子もいましたよ。100人で一斉に歌うこともたまにあったけど、基本的には3つのクラスに分かれるんです。そこで、HIROやMINAと出会ったんですね。

お手紙 男の子だと声変わりがありますよね?

太田 そうそう、だから男の子は中1で卒隊して、女子は中2までいられるんです。

お手紙 中2から今までずっと仲良しって素晴らしい!

HIRO でも、ずっとみんなで集まっていたわけじゃないんですよ。20歳くらいまでは仲がいい何人かでよく会っていて。月に1回は誕生日の子がいたりして、お祝い会をやったり、普通にごはんを食べたり、歌とは関係なく集まっていました。

MINA 私は、CANTUSができてから再会しましたし。

お手紙 合唱隊を卒業したあと、音大に行った人とかはいるんですか?

HIRO いないんですよ。音楽関係の仕事をしているのは、美帆さん以外いないんです。(太田美帆さんはUAや高木正勝、中島ノブユキなどのボーカリスト・コーラスとして活動しています)

太田 大人になってからは、私はみんなとご飯を食べたに行ったりっていうことはなかったんですけど、CANTUSをやることになって仲間に復帰したって感じですね。

お手紙 CANTUSを結成したのはいつですか?

HIRO 2005年の夏です。みんなで集まっているうちに、歌の話になることが多くなって。またみんなで歌いたいねって。最初は、誰かの結婚式で歌ってあげたいとか、そういうささやかな気持ちだったんです。それで美帆さんに、また歌いませんか、って声をかけたんです。

太田 10年ぶりぐらいに集まって、みんなに歌ってもらったんです。音大だと、“ベルカウント唱法”っていうイタリアの一番ベーシックな歌い方を学ぶんですけど、そういうことをやっていないから、みんな声が全然育っていなかった。それが逆によくて、少女の頃の声がそのまま出せていたんですよね。すごくいい感じだったので、せっかくやるんだったら、もう一度きちんとやろう。CDを出せるくらいがんばろうって、始めたんですよ。そしたらね、出ちゃったんですよ(笑)

お手紙 出ちゃったって、そんな簡単な(笑)。何がきっかけだったんですか?

太田 ライブをちょこちょこやっていたんですけど、レコード会社の方が見にきてくれて、私たちくらいの年齢の女性が教会音楽をやるのって珍しいから、それで出しましょうっていうことになったんです。

お手紙 たしかに、ふだん私たちが接することはあまりありませんね。

太田 教会音楽をやってる団体はたくさんあるんですけど、背景を勉強して正しく歌う、という団体が多くて。教会音楽は信者さんのものなので、手を出しにくい部分もあるんです。でも、私たちは合唱隊でもよく歌っていて、昔からすごく好きだったんですね。でも、閉ざされた音楽だから、音楽としてメジャーになりきれないんですよね。私たちとしては、すごく楽しいから歌いたい。こんなきれいな音楽をもっと伝えたい。私達の歌が最初の扉になって、こういう曲がありますよ、という紹介になればいいなと思って歌っています。

お手紙 なるほど。いろんなジャンルがあるなかで、教会音楽にそこまで惹かれる理由は何だと思いますか?

太田 なんだろうー。(仕事で遅れて、席に着いたばかりのMAKAさんに向かって急に)何だと思う?

MAKA (驚いて)え!(考えながら)うーん、単純にすごくハーモニー、メロディがきれいですよね。作られている曲が、昔の神様に対する純粋な気持ちにあふれていて、辞書を引いて歌詞を読みながら、これはこういう歌なんだ、そうなんだ、と思いつつ歌うのが楽しいんです。

一同 へー。MAKAって、そんなことを考えてたんだねー(笑)。

MINA 教会音楽って歌っていて気持ちいいんですよね。

太田 教会音楽って、ゴスペルっぽく、歌って踊るイメージありません? ジェームズ・ブラウンみたいな人が、「神ってサイコーだろ!?」みたいな(笑)

お手紙 ありますあります(笑)。ブルースブラザーズ的な感じ、ありますね。

太田 ゴスペルはプロテスタントのものでけっこう勢いがあるというか。カトリックの音楽は、静寂の中に高揚感を求めるスタイルがいいんですよね。神様が産まれて、人々がすごく幸せで喜ぶ、という内容なんですけど、こういうことって自分達の生活にも置き換えられますよね。何かいいことがあって、すごく嬉しいみたいな、ね。

お手紙 難しいものではなく、日常に根付いた歌なんですね。

全員 (うなづく)

お手紙 CDはいつ発売されたんでしたっけ?

太田 2007年の11月28日です。

お手紙 急展開ですね!レコーディングはいつしたんですか?

MIHO クリスマス前には出したいね、って話をしていて、夏にはメンバーのREIちゃんがイギリスへ行ってしまうので、その前にレコーディングをやろうということで、急きょ6月にしました。

お手紙 ということは、発売の半年前ですね。ではかなりゆっくりと…

太田 (大きく手を振って否定しながら)いやいや! 普通、レコーディングは1年半前くらいにするものだから時間がなくて!

お手紙 練習はどうしていたんですか?

太田 金曜の夜に集まって、週末にうちのスタジオでスパルタ練習をやりました。リビングにおふとんを敷いて雑魚寝状態で(笑)。

お手紙 合宿みたいで楽しそうですね。レコーディングはスタジオで?

HIRO ホールを借り切って2日間でやりました

お手紙 声が響いてよさそうですね。ところで、このCDのジャケット、かわいいですよね。8人の外国の女の子の写真が、ガーリーで、CANTUSの世界観をすごく表してると感じました。

太田 アートディレクターは、エドツワキさんにお願いしたんです。

お手紙 いきなり大物ですね! どうして、エドさんにお願いすることになったんですか?

太田 ファンだったということもあるし、お仕事でお会いすることもあって。でも、そんな気軽に頼めるような方じゃないじゃないですか。(扉をたたく真似をして)“たのもー”って感じですよね(笑)。

お手紙 WEBのオフィシャルサイトもすごくいいですよね。森の中で撮ったようなひとりひとりのプロフィール写真、すごくかわいいです。

太田 WEBは、メンバーの同級生の長宗千夏さんが作ってくれています。それに、あれは代々木公園で撮影をしたのですが、写真を撮ったのは私なんです(笑)。8人のスケジュールを合わせるのは大変だから、出勤前の早朝5時に集まって。

お手紙 代々木公園ですか!? そんなふうには全然見えないですね。

こうして出来上がったCANTUSのファーストアルバム『ハルモニアの娘』。気になる中身についてはまた次回…。

次回へ続きます。

CANTUSからのお知らせ

[ 1stアルバム発売中! ]

ハルモニアの娘

¥2,500(税込)
ewe records

Song Title
  • 1. ブルーバード
  • 2. アニュス・ディ (真夜中のミサ より)
  • 3. 神秘な防壁
  • 4. アヴェ・マリア
  • 5. スプリング・キャロル (キャロルの祭典 より)
  • 6. ただあなたを見つめて
  • 7. 夜
  • 8. アニュス・ディ (弦楽のためのアダージョ)
  • 9. きよしこの夜
  • 10. オディエ
  • 11. 静かに 御子がお休み
  • 12. アウェイ・イン・ア・メンジャー
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