EVENT INTRODUCTION

イベント紹介

4月4日(木)〜22日(月)

柴田菜月個展『今日もいっしょ』at 鎌倉店 4/4~22

桜が舞い踊る季節、手紙舎鎌倉店では、やきもの作家・柴田菜月さんの個展「今日もいっしょ」を行います。

柴田さんが制作するのは、ふっくらとしたからだに美しい模様をまとった、色とりどりの鳥や猫たち。それらは、ひとつひとつ、指先と手のひらを駆使して形を作り、表情をつけ、模様を彫って色づけし、仕上げられていきます。

「小さい頃から動物が好きだった」という柴田さんならではの、愛嬌たっぷりのポーズに、キュートな表情。手にした時に「カラン、コロン」と小さな音が響くように作られているのは、つい手に取りたくなるうな『仕掛け』をつけたかったのだそうです。

展示には、動物の置きもののほか、鏡や時計など、壁面を華やかに彩る作品も並びます。

『日々の生活の少しのいろどりを。少しの楽しさを。』そんな思いが込められた、同じものは二つとない、可愛らしい動物たち。鎌倉散歩に、もってこいの季節。彼らに会いに来ませんか?

柴田菜月さんのアトリエを訪ねて.1


 

柴田菜月さんのアトリエを訪ねて.1

 

冬の寒さの名残りがまだ感じられる3月初旬、東京・八王子にある柴田菜月さんのアトリエにお邪魔させていただきました。

最寄り駅のある、JR橋本駅で待ち合わせた柴田さんは、黒のレトロな愛車で登場。数分走った住宅街に、そのアトリエはありました。近くには美術大学があり、近隣にもいくつもの共同アトリエがあるそうで、制作活動盛んなエリアだそうです。

元は倉庫だったという天井の高いアトリエは、空間を3分割し、他の陶芸家の方々と共同で使用されていました。一番手前のスペースが柴田さんの作業場です。同じく陶芸をされているご主人と一緒にスペースを借りて制作しているそう。ひんやりと冷えた空気の中に、様々な道具や材料、手前と奥には2つの窯があります。

すぐ手前のテーブルの上には制作途中の動物たちの作品が並んでいました。次の工程を「まだか、まだか」と待っているように見える動物たちの表情は、釉薬を塗る前の、色のない状態ですが、すでに愛らしさが漂っていました。

数々の作品の中でも、柴田さんの代表的な作品のひとつが、振るとシャラシャラとマラカスのような音が鳴るオブジェ「ねこだるま」。このねこだるまをつくる様子を見せていただきました。

まず、柔らかい粘土を手でこね、指を中に押し付けて空洞を作りながら、丸く形づくっていきます。そこに、シャラシャラ音の元となる、粘土の細かな削りかすを入れていきます。どんな音に仕上がるかは、柴田さんご自身も「わからない」のだそうです。

その後、穴を塞いで体の形を整えます。柴田さんの指先を駆使しみるみるうちに、まんまるとして表面が滑らかになりました。この時の粘土の状態は、触ると簡単に形が変わるほどの柔らかさですが、これをある程度乾燥させて削りやすい硬さにします。

ちょうどよい硬さまで乾燥したら、顔と体の模様を描いていきます。とても細やかな作業ですが、迷いなくスピーディに進んでいきます。この作業は、柴田さんが「工程の中で一番好き」なのだと言います。まるで平面に絵を描くように勢いよく描かれるその模様は、柴田さんのその時にある感覚や気分によって変わるそう。一体一体同じものは無く、個性あるものが生まれていきます。型を使わずに「手」だけでつくり出す柴田さんの作品には、その時にしか生まれない豊かな表情がありました。

彫り終えると窯に入れて素焼きをし、その後、色つけに入ります。焼く前の釉薬は色味がなく、どんな色のものも、この段階ではほぼ「灰色」です。「色が好き」という柴田さんには、色味の見えないこの工程はテンションが下がってしまうらしく、一番苦手な作業だそうです。

それをもう一度焼いて完成! 窯から焼きあがった作品を取り出す時は、どんな仕上がりにできたか、柴田さんもドキドキの瞬間だそうです。灰色だった釉薬の色はここで初めて鮮やかな色彩となって現れます。振ると中に入れた粘土の粒が踊って、シャラシャラと心地よい音を奏でます。

コロンとしたフェルム、とぼけた表情のねこだるま。思わず心もほぐれて笑みがこぼれます。

【柴田菜月個展『今日もいっしょ』】
日程:4月4日(木)〜4月22日(月)
会場:手紙舎鎌倉店(神奈川県鎌倉市長谷2-5-41)
tel :0467-38-5035
営業時間:11:00~18:00(火・水曜日定休)