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ゴローの部屋 | 原田知世さんを迎えて

tegamisha

作曲・編曲家、ギタリスト、プロデューサーとして、活躍が目覚ましい伊藤ゴローさん。ソロプロジェクト「MOOSE HILL」やボサノヴァ・デュオ「naomi & goro」としても活動しています。この連載では、ゴローさんにゆかりのあるさまざまなクリエイターの方々をゲストに迎え、“本音トーク”を語っていただきます。

ゴローの部屋 | 原田知世さんを迎えて

今回の対談相手は、原田知世さん。1982年のデビュー以来、『時をかける少女』で映画初主演、近年は映画『サヨナラCOLOR』『紙屋悦子の青春』『しあわせのパン』や、ドラマ出演、ドキュメンタリー番組のナレーションなど幅広く活躍されています。歌手としても、鈴木慶一さんや、トーレ・ヨハンソンさんを迎えてコンスタントにアルバムを発表。高橋幸宏さんらと結成したバンドpupa(ピューパ)としても活動しています。

そして、2014年5月7日(水)に原田知世さんの5年ぶりのニューアルバム『noon moon』がcommmons(エイベックス)よりリリースされます。プロデューサーは前作『eyja』と同じく伊藤ゴローさん。アルバムツアー を控えたお二人が、今回のアルバムが生まれるまでのエピソードや、お互いのことについて言葉を交わしました。2008年以来となる「ゴローの部屋」。アルバムを聴くのがますます待ち遠しくなる豪華な対談をお届けします。

|第2回|知世さんの言葉の“響き”|

ゴロー 今回のアルバムは、昨年の11月頃から二人で長い時間かけて曲作りからたっぷり時間をかけましたが、いかがでしたか?

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原田 今回のアルバムは、一曲ずつ作ってレコーディングに入る、というよりは、少しずつ作りながら気がついたらアルバムが出来た、というような作り方ができればと話していて、それに近いことはできた気がします。随分と早く曲をあげたりして、ライブでもレコーディングの前に曲のタイトルも出来ていない状態でお披露目したりとか、そういうこともできた流れで、いつの間にかレコーディングが始まっていたような感じでした。

ゴロー うん、本当だね、確かにそうだった。ふふふ。

原田 でも私はそれが理想で、それが出来たからうれしかったです。すごく小さなスタジオでゴローさんと、まだ歌詞もできていない頃、ラララで歌っていて…。

ゴロー そうそう。曲もデモの状態で、構成も決まっていなくて。知世ちゃんに聴かせて、まだ歌詞がないからラララで歌ってもらって、それをまた持って帰って自分でアレンジし直して、そこから知世ちゃんが歌詞を書いて…。

原田 …で今度は歌詞つきで歌って、キーを何種類も試してみて、それでテンポとか、少しずつ、ちょっとずつ確かめていきました。

ゴロー 知世ちゃんにとっては、どの曲が1番歌っていて歌詞も含めて自分にフィットしていますか? まあ、いろんな曲があるけど。

原田 んー。どれもかな。なんというか、ゴローさんとのアルバムもこれが3作目になりますし、私の声の特質とか、ここの部分が良いな、というのをすごく分かってらして、そこに合わせて曲を書いてくださったから、どれもタイプはまったく違うけれど、歌いやすかったし、いろんな歌の表現が出来たと思いますね。一番最後に「Brand New Day」という曲の歌詞を書いてレコーディングも行いましたが、一番早く詞が書けて不思議だな、と感じました。レコーディングもさくさくっと進んで。一番最後だったのもありますけどね。でも、ゴローさんが作ったどの曲も、私が思うに“力作”だと思いますよ。

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ゴロー ふふ…ありがとうございます(笑)。

原田 このアルバムの中で、ゴローさんが一番これがやりたかった、という曲はありますか?

ゴロー そうだねえ。ある意味、いろんなタイプの曲がある、というのは自分らしいと思うなあ。自分のやりたいことはいろんな方向を向いているから、良いタイミングでいろんなことができた…というのはあるんですけど…。なんだろうな、昨日もi-Phoneで聴いていたんだけど、どうしても“音”をつくっていると、歌半分で音の方を聴いてしまう。楽器を弾いているからね。でも、少し時間を置くと、ちゃんと歌に向かって聴けるようになった。昨日もちゃんと自分が聴きたい知世ちゃんの声が聴けたから、ああ良かったなあ、と一安心してますよ(笑)! 性格的なものかわからないけど、どうしてもバックトラックの方ばかりに耳がいって、よっぽどキーが合わなくて歌がどうかな、と思う部分以外は、歌は半分ぐらいしか聴こえないこともあるんだけど。でもちゃんと歌が聴こえてきたんだよね。良かった…。それにしても、よく全部つくったよね…二人で(笑)。

原田 そうですよねー。前半は結構急いで作らないといけない曲もあったから。

ゴロー 仕事が早いですよね、知世ちゃんは。歌詞がすんなり、ぽんぽんと出て来たような気がする。最初に作ったアルバムの初めの3曲は早かったですよね。「青空の月」「うたかたの恋」「Double Rainbow」と。

原田 テーマが見つかると、もう集中してつくりたくなるんですよね。

ゴロー 作詞しはじめたのは、いつ頃ですか?

原田 ちゃんと自分で全て書くようになったのは、トーレ・ヨハンソンさんとつくったアルバム『I could be free』ぐらいからでしょうか。それまでも書いてはいましたが、鈴木慶一さんが書いてくれることもありました。そしてトーレとふたりでやることになり、「いよいよこれは書くしかないな…」という状況になりまして(笑)。私は楽器ができたり曲が書けたりするわけではないので、自分のカラーが出せる場所として歌詞は書ければ良いな、と思って作ってきましたね。でも、毎回制作を終える度にこれ以上言うことはない、言いたいことはない、って思うんですよね。それでまた次のアルバムになって、書かなきゃいけなくなって、書きためてはいないのでその都度書きます。

ゴロー どんなに良い言葉でもメロディーに合わないこともありますよね。たとえばオケに合わない言葉というのは、聴いていて不自然だったりして。知世ちゃんの言葉の選び方にはその不自然さがまったく無いんですよね。それって技術が要ることだと思うんですよ。

原田 うーん、それって多分、これまでたくさん書いてきて分かってきたからというか、やっぱり初めの頃に書いていた詞を読むと、無理して入れてるなあ、という歌詞もあるんですよね。でも今は、言葉のもつ意味とは関係なく、“音”としていくつかの単語が浮かんできて、それから詞を書くこともあるんですよね。

ゴロー それはすごく分かるなあ。言葉の意味を伝えたくても、伝わらないことはいっぱいあって。でも、音ってすんなり入ってきて、何かしら伝わっていくものだと思うんだよね。そういう音に対する勘というか、感覚があるかないかで、全然歌詞って変わるよね。言葉がすんなり歌として聴こえるかどうか。

原田 うん。だからパズルみたいに、同じ意味で違う言葉をいくつも目の前に並べてみて、変えていく作業も必要だと思っていて。でも歌詞が出来ちゃったら、その内容とか考えて歌ってないですね。もう…音の響きなんです、私。だから、そこに感情を込める歌というのはなくて、その響きが大切。

ゴロー それは自然なんじゃないかな。多分、共通のメロディーには、ぴったりの言葉というのはあまり無いと思う。いくつかしか、存在しないと思うなあ。

原田 そう、だから言葉が見つからないときはそこだけ穴を空けておいて、生活している間にぽっと見つけることもあるから、その時まで置いておきます。

ゴロー 今回のアルバムで知世ちゃんに対して一番感じたのは、やっぱりそこかな。“匠”を感じますよ(笑)。

原田 ありがとうございます! でも、ゴローさんはそこの部分、すごく気にする方だというのを私は分かっているので、気をつけねばなるまい、と思ってやっていましたよ…(笑)。

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ゴロー 思いだけを詞に表現して、音楽として成立していないこともあるけど、(知世ちゃんは)そうじゃなかった。

原田 ご自身で曲も詞も書く人だとそれもいけるんだと思うんですけどね。メロディーも変えれるし、周遊するようにしたいならそういう風にもできるし。でも、別の人同士がやるからそこはお互いが尊重し合う必要がある。たとえば、「どうしてもここに二文字入れたいから音符を一つくださいな」という時もあったり。逆に、「あれ? 一つ音符増えましたか!?」みたいなことも…(笑)。3文字が4文字に変わるだけでも、すっごく大変なことなんですけど、私たち、ちゃんとクリアしましたよね?

ゴロー うんうん。いやーこれはすごく重要なことだよね。

原田 そうした小さなことを積み重ねていく時間が取れた、ということが良かったと思うんです。時間がなければ、妥協して「ここでいいかな」となるじゃないですか。でも後々聴けば、絶対そこに引っ掛かるはず。そういうことを解消して、お互いに気持ちわるいところが無いところまでやれたのかな、という気がします。

次へ続きます。

ゴローさんと知世さんからのお知らせ

2014年5月7日(水)、原田知世さんの5年ぶりのオリジナルアルバム『noon moon』が発売されます。プロデューサーに伊藤ゴローさんを迎えて制作したこのアルバムの特設サイトがオープンしています。ぜひご覧ください。

原田知世『noon moon』スペシャルサイト
http://www.commmons.com/noon_moon/

原田知世『noon moon』¥3,000(tax out)
全10曲

noon moon
  • 〜収録曲〜
  • 01 青空の月
  • 02 うたかたの恋
  • 03 Double Rainbow
  • 04 A Moment Of Clarity
  • 05 走る人
  • 06 My Dear
  • 07 LOVE
  • 08 レモン
  • 09 名前が知りたい
  • 10 Brand New Day
    *LOVE:セルフカバー(1997年リリース『I could be free』収録)


手紙舎つつじヶ丘本店・手紙舎 2nd STORY店頭、手紙舎オンラインショップでもご購入いただけます。あわせてご利用ください。
手紙舎オンラインショップ/原田知世『noon moon』



スタイリスト・岡尾美代子さんをお迎えした
前回のゴローの部屋は、こちらよりごらんください。

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