tegamisha


近頃、長い年月を経た暮らし道具に心ひかれます。
そんな「古いもの」への憧れから一歩踏みだし、
アンティークのお店を開くべく、階段を登り始めた女性がいます。
彼女の最初のチャレンジは、骨董市への出店。
そして突きつけられたのは、
仕入れや値付けの難しさ、自分は本当に何を扱いのかという疑問。
そんな、苦悩や試行錯誤、さまざまな出会いと喜びを
「みずたま雑貨店」の店主、ミヤタチエコさんが綴ります。

|第1回|はじめまして。みずたま雑貨店です|

「みずたま雑貨店」の店主、ミヤタチエコと申します。東京で、アンティークと古道具のお店を開いていますが、実店舗はありません。

「みずたま雑貨店」は、広さ畳2枚分、営業は月に1日。商品はトランク2つ分だけ。そんな小さなお店につまった、いろいろなエピソードをお話いたします。

私の雑貨・アンティーク好きは、大学生の頃に始まります。「雑貨カタログ」という、雑貨専門の雑誌が大好きでした。誌面には、アンティークの雑貨も紹介されていました。BREAD缶やマーマレードジャーを初めて見た時、そのかわいらしさにびっくりしました。ヨーロッパでは、蚤の市で古いものを買い、日常生活で素敵に使いこなす方が多いのだそうで…。そんな世界にとても興味を持ちましたが、当時、国内旅行もほとんど行ったことがなかった私。それは雑誌の中だけの夢の話だと思っていました。

そんなある日、「雑貨カタログ」の1ページに釘付けになりました。そこには「ロンドン・パリ蚤の市&ショップ巡り」という文字が書かれていました。蚤の市や雑貨店に連れて行ってくれる、雑貨ファンのためのツアーで、その参加者を募集しているというのです!「行きたい!」と思いましたが、保守的な両親はきっと反対するだろうと思いました。ドキドキしながら打ち明けたら、なんとあっさりOKで、卒業祝いとして少し援助もしてくれるというのです! こうして、めでたく参加できることになりました。

この時の旅は、今思い出しても本当に素晴らしいもので、自分の「好き」を信じてヨーロッパに行ったことは、それから10年以上たった今でも、私の原動力となってくれています。

「雑貨屋さんを開きたい」という気持ちはどこかにありつつも、大学卒業後は、住宅展示場を運営する会社で働きました。展示場で行うイベントや、折り込みチラシの担当をしていましたが、そのうちにイベントよりも家をつくることに興味を持つようになりました。雑貨の雑誌はその頃もずっと読み続けていて、特にインテリアの実例特集が大好きでした。雑貨をディスプレイした、洋書に出てくるような素敵な家を見るのが好きだったのですが、その誌面には必ずといっていいほどお施主さんの苦労話が掲載されていました。

「設計の人や大工さんに、イメージを伝えるのが大変だった」

たしかに、アンティークや雑貨が好きな人が家を建てる時に「サビた感じがいい」と言っても、新築ばかりを作っている大工さんにはその感覚は伝わりません。でも、「私なら雑貨が似合う家を作れるかも!」と思い付きました。雑貨好きなお客様の気持ちがわかると思ったからです。思い立ったが吉日、私はインテリアの資格の勉強をし、転職をしようと決めました。

資格を取った後、インテリアコーディネーターとしてハウスメーカーに就職しました。仕事はとても面白く、毎日残業をしても全然平気。でも、ひとつだけ気になることがありました。家をつくるためには、たくさんの人が関わる、ということです。営業マン、設計者、インテリアコーディネーター、積算、現場監督、そして職人さんたち。人が多ければ、それだけミスが増えます。現場で違うものをつくってしまったり、間違ったものが納品されたり…。そのたびにお客様に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。もし、自分一人で全部仕事ができたら、仕事のミスも喜びも全部受けとめることができるのに…。

そのうち、私の興味は「一人でできる仕事」へ向かうようになりました。同時に「雑貨屋さんになる」という、かつての夢も思い出しました。雑貨屋さんなら自分一人で、お客様へ満足を提供する仕事ができると思ったのです。会社での仕事は十分頑張ったし、そろそろ自分のために時間を使ってもいいのでは、とも思いました。

そうは思ったものの、雑貨屋さんを開くだけの十分なお金があるわけではない。私たち夫婦は共に大阪出身なので、いずれ地元に帰った時にお店を始めればいいか、とも考えました。でも、いま東京で何もできない理由を、家庭やお金のせいにしていたら、いずれ地元に帰ってからも何もできないような気がしてきました。

こんな風に、ずっと長い間悩み続けていました。そして、ついに私は、ある方法を見つけたのです! 資金がなくても、今すぐお店を始める方法。それは、以前から頭の片隅にあったものでした。その方法とは…。

次回は、資金がなくてもお店を始める方法。


ミヤタチエコさんからのお知らせ

[骨董市に出店します]

日時:8月17日(日) 9:00〜16:00
場所:東京JR有楽町駅 東京国際フォーラム前 「大江戸骨董市
※以降、毎月第3日曜日に出店。
※出店日が変更になる場合があります。お出かけ前に、みずたま雑貨店ブログにてご確認ください。


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