tegamisha

全国で幅広く販売しているわけではないのに、
5度の増刷を重ねている本があります。
約100軒のカフェが掲載されているボリューム、
書き手の思いがこもった文章、
かわいくて見やすくて遊び心のあるデザイン。
驚くべきはこの本が、個人の方が作った
自費出版の本であるということ。
東海地方の“カフェ好き”に圧倒的な支持を得ている
『カフェうらら』が生まれるまでの物語を、
作り手であるこんどうみきさんに聞きました。

|第4回|中途半端なものは作りたくない|

お手紙 ページ数は最初からこのボリュームで考えていたんですか? 『カフェうらら』を初めて見た時に、自費出版で112ページっていうボリュームはすごいなって思ったんです。しかもオールカラーだし。

こんどう オールカラーにするのは最初から決めていました。お店紹介を2色刷りで見せている本を見て、「もっと見たいなぁ」と何度も思ったことがあるので。

お手紙 思い切りがいい!

こんどう ページ数は、はじめ70ページくらいにしようと思って企画書を書いたんですよ。それで、紹介したいお店をリストアップしていったんですけど、書き出しているうちに、70ページじゃ全然収まりきらなくなってしまって(笑)。

お手紙 章ごとにテーマが分かれていて、それがとてもいいと思うんです。こういったお店のカテゴリー分けは最初から決めていたんですか?

こんどう やっぱり、情報誌の時の名残で、むしろ「テーマを立てない」っていう考え方がなかったんだと思います。あとは、4年間編集をやっていたので、見やすさを考えて、ですかね。

お手紙 最初の企画書を作った段階で、印刷会社に見積もりをとったんですか?

こんどう 同時進行でしたね。本を作りながら、取材をしながら、印刷会社とも話を進めていて。印刷会社は、名古屋に「collabo」っていうフリーペーパーがあって、いくちゃん(デザインを担当したいくたけいこさん)がたまたまそれを発行しているご夫妻と知り合いで紹介してもらいました。住宅街の中にある小さな会社なんですけど、安くてきれいだということを教えてくれて。他に探すアテもなかったし、そこに決めました。

お手紙 最初は何部刷ったんですか?

こんどう 1000部です。

お手紙 その時は、この本で利益を出そうという気持ちは…?

こんどう なかったですね。正直、赤字でもよかったし、とりあえず作って見てもらうことが目的だったので。

お手紙 そういう、マグマみたいなエネルギーがあったんでしょうね。「やりたい!」っていう。

こんどう そうですね。

お手紙 例えば、これが32ページのリトルプレスでもよかったわけですよね。でも、そうじゃなくて最初から、112ページという立派な体裁でやろうとしたのはなぜなんでしょう?

こんどう 作るのは本当にしんどかったんです。想像以上に。でも、何冊も作っていって良いものを目指そう、というのではなくて、今出来ることを全部詰め込んだものを作らなくちゃ、という思いが強くて。32ページの本を作るというのは、当時は全く頭になかったですね。自費出版なんだけど、あまり中途半端なものは作りたくないな、という風には思っていましたね。

お手紙 うんうん。

こんどう これを見てくれたことで、手紙社の方たちとも知り合えたし、他のいろいろな仕事も増えたし、頑張って良かったなぁとは思います。

お手紙 初めて見た時に、これはプロの人が作ったものだ、と思いました。でも、プロが作ったものにはない情熱みたいなものも溢れていて…。

こんどう ありがとうございます。

お手紙 お金の計算をして、少しでも黒字を出そう、なんて思っていたら作れなかったのかもしれませんね。

こんどう そうですね。作る時はお金のことは全く考えてなかったですね。

次回へ続きます。

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