tegamisha

全国で幅広く販売しているわけではないのに、
5度の増刷を重ねている本があります。
約100軒のカフェが掲載されているボリューム、
書き手の思いがこもった文章、
かわいくて見やすくて遊び心のあるデザイン。
驚くべきはこの本が、個人の方が作った
自費出版の本であるということ。
東海地方の“カフェ好き”に圧倒的な支持を得ている
『カフェうらら』が生まれるまでの物語を、
作り手であるこんどうみきさんに聞きました。

|第5回|取材にかけた期間は6か月|

お手紙 取材はどれくらいの時間をかけたんですか?

こんどう 取材は、2006年5月の中旬から始めたんですけど、その頃、別の仕事も一緒にやっていて。

お手紙 それも編集のお仕事ですか?

こんどう はい。フリーになったのならウチの仕事をしないかって、いろいろな知り合いが声をかけてくれて。せっかく声をかけてくれたのにそれを断るのも勇気がいるし、ひょっとしたらもう仕事は来なくなるんじゃないかと思って、ほとんど受けていたんですよ。でもフリーになったのは自分のしたいことをしたかったからだし、このままズルズルと仕事を受け続けていたら何も変わらないなと思って。だからある時からほとんど断って、『カフェうらら』の制作だけに切り替えたんです。

お手紙 ということは取材には結構時間がかかったんですか?

こんどう はい。ページを作りながら取材をして。それと、お店が新しく出来たりしますよね。リストの調整もしたりして…。結局、取材は11月までやっていたと思います。その間に、取材に行けなかった時期もありましたけど。

お手紙 では、夏と秋はカフェ三昧…。

こんどう そうですね。暑かったし、全部一人で行くとなると、結構大変でしたね。車の運転も苦手だったんですけど、市役所の駐車場で練習しました。ひたすら駐車の練習とかして(笑)。

お手紙 当初の予定では、いつくらいに発売する予定だったんですか?

こんどう (当時の企画書を見て)あっ、これヤバイ…(笑)。最初は2006年8月発行予定って、書いてありますね。

お手紙 あ、ホントだ。

こんどう 月刊誌をやっていたので。月刊誌は頑張れば1〜2か月で作れちゃいますよね。でも自分でやるとなると、全然違いましたね。紙を選ぶだけでも時間かかりましたし…。

お手紙 分業と、一人でやるのとではだいぶ違いますよね。

こんどう あと、写真を自分で撮るっていうのがかなり大変でした。不安だったし。

お手紙 三脚は持っていったんですか?

こんどう 持っていかなかったんですよ。写真も、趣味で撮っていただけでしたし。大学の時は写真部だったんですけど、アナログの一眼しか持っていなくて。そうすると結構お金がかかるじゃないですか。それで、カメラ屋さんでいちばん手頃なデジタルの一眼を買って、東急ハンズで白い厚紙を買って。レフ板のつもりで(笑)。カメラマンさんがいつもレフ板を持っていたから、買っておいたら役に立つかもしれないと思って。その2つと、ノートを持って取材に行っていました。

お手紙 (企画書を見て)この段階では90ページになっていますね。ちょうど巻末の「カフェアルバム」の部分が入っていないんですね。

こんどう カフェアルバムは、まだまだ載せたいお店があったので、ちょっと欲張った部分ですね(笑)。

お手紙 では、本編は予定通りに収まったということなんですね。取材中に閉店してしまったお店はありませんでしたか?

こんどう 一軒だけありました。結構気に入ったページが出来上がっていたんですよ。校正のお願いをする時に、そのお店がカフェをやめるという話を聞いて。1ページごとにとても時間をかけて作っていたので、作り直すのが大変でした。気に入っていたページでもあったし、つらかったですね。校正の直前でしたし、半泣きでした。でも、予定より時間がかかっちゃったこちらの責任でもあるんですよね。

お手紙 なるほど。あと、写真のことなんですが、やっぱり編集の仕事をされていたので、カメラマンさんにここを撮ってほしいとか指示をされていたと思うんですよ。だから、ちゃんといい所を押さえてる!

こんどう ありがとうございます。本当は、お金があったら好きなカメラマンさんに撮影を頼んで…とかやりたかったんですけど(笑)。私の場合は知識と技術が足りないので、お店側の希望を聞きつつ、とにかく数を撮っていました。むしろ、写真を撮るのに夢中になっちゃって、取材が全然できなくて(笑)。どのお店もかなり長居させてもらいました。だって、写真は取り返しがつかないじゃないですか。もう一度撮りに行くことになるし。あと、今は本を手にしても字を読まない人って多いですよね。パラパラって眺めるだけとか。だから、写真は絶対失敗できないと思って…。あまりうまくない写真だったかもしれないけれど、自分が撮ったことで、自分の紹介したいカフェが思うように伝えられたかな、とは思いますね。

次回へ続きます。

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