tegamisha

全国で幅広く販売しているわけではないのに、
5度の増刷を重ねている本があります。
約100軒のカフェが掲載されているボリューム、
書き手の思いがこもった文章、
かわいくて見やすくて遊び心のあるデザイン。
驚くべきはこの本が、個人の方が作った
自費出版の本であるということ。
東海地方の“カフェ好き”に圧倒的な支持を得ている
『カフェうらら』が生まれるまでの物語を、
作り手であるこんどうみきさんに聞きました。

|第6回|自分の目線で表現する大切さ|

お手紙 取材を申し込んだ時は、みなさんどういう反応でしたか? 行ってみれば、まだ世の中にない本のわけですよね。

こんどう それが、みなさん本当に協力的で。取材を申し込んだ時に返信していただいたFAXを今持っているんですけど、「電話をいただいた時点では、ちょうど雑誌への掲載を控えようかと考えていたところだったので、お断りしようと思ったんです。でも、夢を実現されようというこんどう様を感じ、お手伝いできれば…」と書いてあって。これはちなみに「pinch of salt」の方からです。

お手紙 泣けてきますね。

こんどう 他にも皆さんFAXやメールなどでたくさん励ましてくれて。

お手紙 そういう風に言っていただくと、きちんと紹介していいページを作りたいっていう気持ちがまた湧いてきますよね。

こんどう ちゃんとしなきゃって、思いました。取材の時も、皆さん、たくさん、真剣に話してくれて。本が出た時もすごく喜んでくれて、お店で販売もしてくれたんです。とても温かいな、と思いました。

お手紙 いい話ですね。

こんどう 出版社にいた頃は、「一日5軒行かなきゃ」とか、いろんなことに追われていて。お話も30分しか聞く時間がなかったりして、そうすると表面的なことしか書けない、とか…。

お手紙 この本は文章にしても、こんどうさんの“思い”が表現されていると思います。

こんどう 自分が取材に行って、そこで思ったこととか、見た景色とかをそのまま伝えたいと思っていたんです。写真も文章も綺麗な“良い本”なんて世の中にたくさんあるじゃないですか。でも、私が実際にお金を出して自分で作る本なんだから、自分の視点で、個人の目線で作った方が面白いかな、と思ったんです。

お手紙 うんうん。

こんどう でも、そうやって書いていても、気づくと普通のお店紹介みたいになってしまっていたページもあって、迷っていたんですけど、この本の校正をしてくれた先輩が、「みきちゃんが作るって決めたみきちゃんの本なんだから、どんなにダサいこととか恥ずかしいことでも、自分が思ったことをどんどん書いていった方が面白いんじゃない」って言ってくれて。あの一言がなかったら、かなり違う本になっていたかもしれません。

お手紙 いい先輩ですね。

こんどう 心から尊敬している人です。本を作るならその先輩にいちばん最初に原稿を読んでもらいたい、とずっと思っていたんです。お金はあまり多くは出せないし、校正を頼むのをためらっていたんですけど、「お金なんて1円も要らないよ。ただ欲を言えば、出来上がった本を2冊欲しいな。みんなに見せる用と、きれいなまま残しておく保管用に」って言ってもらって。

お手紙 素敵なお話ですね。ところで、掲載するカフェと掲載しないカフェの判断って大切なところだと思うんですけど、たくさんの候補の中からピックアップしたんですか?

こんどう 初めに、掲載したいカフェを紙に書き出したんですよ。そうしたら300軒近くあって…。1/3くらいに、ギュッと絞りました。リサーチをしていくうちに、抜いていった所もありましたね。

お手紙 ロケハンに行って?

こんどう はい。

次回へ続きます。

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