tegamisha

全国で幅広く販売しているわけではないのに、
5度の増刷を重ねている本があります。
約100軒のカフェが掲載されているボリューム、
書き手の思いがこもった文章、
かわいくて見やすくて遊び心のあるデザイン。
驚くべきはこの本が、個人の方が作った
自費出版の本であるということ。
東海地方の“カフェ好き”に圧倒的な支持を得ている
『カフェうらら』が生まれるまでの物語を、
作り手であるこんどうみきさんに聞きました。

|第9回|カフェうららというタイトルは?|

お手紙 『カフェうらら』というタイトルは?

こんどう それは、ある日ポンと出てきたんです。本を作り始める前に。だから企画書には全部『カフェうらら』って入っているんですけど。当時のメモには、いちおう予備として「名古屋カフェライフ」とか、「東海カフェ案内」とか、「今日もカフェ日和」なんてのも書いてあったり…。今考えると、ありえないですけど(笑)。

お手紙 良かった、『カフェうらら』になって(笑)。

こんどう 取材をしたカフェの人にも、このタイトルならきっとかわいい本が出来そうですよねって言ってもらえたから、よかったです。

お手紙 この表紙って、どうなっているんですか?

こんどう これは、普通の白い紙に両面とも印刷しているんですよ。ちょうどいいグレーの紙が見つからなくて、結局、印刷したんです。

お手紙 じゃあこのグレーの表紙も4色(カラー)刷りなんですね。

こんどう はい。印刷をする前にサンプルを作って、いくちゃんと一緒に本屋さんに持って行って、勝手に棚に陳列したりしました(笑)。「この色はもっと濃い方がいい」とか、「この色は合わない」とか。すごく目立つ本も嫌だけど、あまりに目立たないのも嫌ですし。書店に置いてもらえるかもわからないのに、勝手に想像してやっていました(笑)。本屋さんにはかなり行きましたね。

お手紙 きちんとマーケティングがされている! 表紙が2種類ありますよね?

こんどう はい。背の布を2色にして、好みで選んでもらえるようにしたんです。というのも、印刷をお願いした会社が、普段は学校案内とか会社の資料とかお堅いものを作っている印刷会社だったんです。印刷はきれいで安くてよかったのですが、私たちのやりたいことが伝わりにくくて。あれこれ細かいこだわりを説明してみても、「なぜですか?」みたいな(笑)。だから、表紙の紙や布を選ぶ時も、自分たちで選ぶしかないねって。何千枚という見本をみせてもらい、布は最終的に2種類に絞ったんですけど、どちらかひとつに絞るのが怖くなってきて。「これはもう好みの問題だよね」という話になって…。悩んでいたら「2パターン作っても金額は変わらないですよ」って言われたんです。

お手紙 へー!そういうものなんですか?

こんどう はい。いずれにしても手作業なので同じだということで…。

お手紙 手作業なんですか!?

こんどう はい。全部手貼りしてくれていて…。結局、値段が変わらないんだったら2種類作ろうということになって。結果的には、2種類とも買ってくれる人が結構いたんです。

お手紙 やったー!

こんどう 前の会社の人には、売上アップの作戦なんでしょ? とか冗談で言われたり(笑)。でも、そんなつもりはまったくなくて。

お手紙 部数の比率は…?

こんどう 500部ずつですね。半分ずつ刷りました。

お手紙 で、いよいよ完成ですね。本が出来て、いちばん嬉しかったのは?

こんどう 実は、完成した本を見た時はあまり嬉しくなかったんですよ。他の人が見たらどうなんだろうと、不安ばかりで。だから、最初にリブロに持って行った時に店長さんに褒めてもらって、それがまず嬉しかったですね。あとは読者の方がたくさん感想のメールや手紙を送ってくれて…。私は今まで「いい本だな」と思っても、感想を書いたり送ったりしたことがなかったんです。だからこそ嬉しくてジーンときましたね。

お手紙 うんうん。

こんどう あとはお世話になったお店に、すみません、やっとできましたっていう文書を送る時に、可能であれば販売もしてくれる所を募集していますって一言書いたら、皆さん連絡をくれて。だいぶ延び延びになっていたので、ひょっとしたらみんな怒ってるんじゃないかと思っていたんですけど、いい本が出来て良かったですね、掲載していただけてうれしいですって言ってくださって。本当に作って良かったなって思いました。お店の人に喜んでもらえたのはすごくうれしかったですね。

次回へ続きます。

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