tegamisha

全国で幅広く販売しているわけではないのに、
5度の増刷を重ねている本があります。
約100軒のカフェが掲載されているボリューム、
書き手の思いがこもった文章、
かわいくて見やすくて遊び心のあるデザイン。
驚くべきはこの本が、個人の方が作った
自費出版の本であるということ。
東海地方の“カフェ好き”に圧倒的な支持を得ている
『カフェうらら』が生まれるまでの物語を、
作り手であるこんどうみきさんに聞きました。

|第10回|本の流通について|

お手紙 リブロ名古屋店には、本が出来てから営業したんですか?

こんどう そうですね。本が刷り上がるまでの2週間はホームページや送り状などを制作していて、本が出来たらすぐリブロに連絡しました。そして、リブロの店長さんが本を見てくださることになり、ドキドキしながら持っていたら、その場で「これは売れますよ」って言っていただいて。最初に30部注文をもらったんですけど、翌日に50部注文が来て。その後に100部とかになっていって…。

お手紙 一つの書店で一日30部も売れる本ってそんなにないんじゃないかな? 他のお店からも注文は来ましたか?

こんどう はい。いちばん最初に注文してくれたお店をよく覚えています。すごく嬉しかったですね。誰も注文してくれなかったらどうしようって思っていた時にメールが来たので。その後は一気に来て…。最初に印刷した1000部は、1か月もかからないうちに売れて、びっくりしました。

お手紙 すごい! 作った時に、そんな風に売れると思っていました?

こんどう 思ってはいなかったですけど、日によったかもしれません。誰も買ってくれないかもしれないと思っていた時期と、これだけ頑張ったんだからちょっとは買ってくれる人がいるのかなという時期がありましたね。でも売れだしたら早かったから…そのあとはあまり考える暇がなくて。その時は初めて本を作った嬉しさで、「あぁ、こんなに読んでくれる人がいるんだ」って思って、夜も遅くまで配送の準備をしていて、昼間は市内のお取り扱い店に直接納品にいったり郵便局へ行ったり…。今、同じことは出来ない気がします(笑)。体力をものすごく使ったので。

お手紙 各お店との、個別の対応が大変そうですね。

こんどう 私自身が販売に関しては無知だったし、取り扱い条件もいろいろだし、大変でした。あと、たまに振り込みを忘れているお店もあって、それをお願いするのが気まずかったりとか(笑)。その時は他の仕事を始めていたので、『カフェうらら』のことだけに専念できたわけではなく、仕事中に電話がかかってきてゴチャゴチャになったり。あまりのメールの多さに注文の返信が滞ってしまい、遅すぎませんかって、一度だけ注意されたこともありました。申し訳なかったです。

お手紙 もし、次に同じようなやり方で本を出そうとしたら、取り扱い店はどうするのがいいと思いますか?

こんどう 例えば恵文社一乗寺店さんだったら、おそらく『カフェうらら』みたいなテイストの本を好きな人が集まるじゃないですか。そういうお店で売ってもらうのは嬉しいし、売りやすいと思うんですよ。あとは、全国に少しずつ販売してくれるお店があると、いいなと思います。

お手紙 では今はそんなに販売するお店は増やしていない…?

こんどう そうですね。やっぱり一人で出来ることには限りがあります。自分の出来る範囲で動くのがいいかなって。

お手紙 最初の1000部が完売して、何回か増刷してますよね?

こんどう 1回ごとの冊数を増やしつつ、5刷くらいしました。

お手紙 それはすごい! 本ができた時、デザインを担当したいくちゃんはどんな反応だったんですか?

こんどう ふたりでたくさんの時間と労力をかけて相談したり悩んだりしてきた所が、出来上がりを見たら結果的に全部うまくいっていて、一緒に作れてよかったって言ってくれました。いくちゃんは元々本の装丁に興味があって、でも名古屋にはそういう仕事がないから、私が言いださなかったら本を作ることもなかっただろうし、夢が叶ってよかった! って。あと校正をしてくれた先輩が、とても喜んでくれました。いろんな人にメールで宣伝してくれたらしくて、その次の日くらいに、あちこちから注文のメールが届いて。みんな、こんなに協力してくれるんだなぁって思って、ありがたかったです。

次回へ続きます。

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