tegamisha

全国で幅広く販売しているわけではないのに、
5度の増刷を重ねている本があります。
約100軒のカフェが掲載されているボリューム、
書き手の思いがこもった文章、
かわいくて見やすくて遊び心のあるデザイン。
驚くべきはこの本が、個人の方が作った
自費出版の本であるということ。
東海地方の“カフェ好き”に圧倒的な支持を得ている
『カフェうらら』が生まれるまでの物語を、
作り手であるこんどうみきさんに聞きました。

|第11回|第2号の予定は…?|

お手紙 本が出来てから1年以上経ちましたよね。今、『カフェうらら』は、こんどうさんにとってどういう存在ですか?

こんどう この本を作ったことによって、いろんな人に出会えたり、仕事の幅が広がった、ということが、とてもよかったと思っています。『カフェうらら』に「ありがとう」って言いたい感じですね(笑)。あとは、フリーで仕事をしていく上で、「こういうものを作りました」っていう“作品”があるのはいいのかな、とは作っている最中から思っていましたし、今もそうですね。

お手紙 本当に、これだけのものを作ったんだったら、看板にもなるし。

こんどう 今見返すと、ちょっぴり照れくさくなってしまうような部分もありますけど、これは私が26歳から27歳の間に作りたかったものとして残せるし、これはこれで良かったなと思います。

お手紙 「カフェうららを作ったこんどうさん」と言われるのは、嬉しいですか?

こんどう はい。これのおかげで、専門学校の講義の仕事もできたり、テレビや雑誌にも取材をしてもらえたり、写真展やイベントに参加できたり。いろいろ新しいことが出来るきっかけになったので。でも話すことが得意ではないので、講義の仕事はちょっとしんどかったです(笑)。2時間くらい話さなきゃいけないんですよ! 一人でひたすらペラペラと…。でもそんな機会もそうそうないし、いろいろ体験させてもらってありがたいですね。

お手紙 これだけのボリュームのものを一人で作って自費出版して…。自分のお金で作るっていう所も結構重要だと思うんですけど、しかもビジネスになってるじゃないですか。それが本当にすごいと思います。

こんどう 黒字になったのは嬉しいですね(笑)。

お手紙 もちろんそれが目的ではないと先ほどおっしゃっていましたが、結果的にそうなったということは素晴らしいと思います。一方で視点を変えてみると、今って、本が全然売れないじゃないですか。雑誌も書籍も、メジャー流通していても1000部も売れない本ってたくさんあるんですよね。そういう状況がある中で「良い本を作れば、流通経路とかがなくても売れるんだ」というのをこんどうさんが証明してくれたような気がするんですよ。そういうメッセージもこの本には潜んでいるような気がします。

こんどう ありがとうございます。

お手紙 きっとたくさんの人から聞かれて、飽き飽きしている質問だと思うんですけど、第2号は出さないんですか? また、別の本は作らないんですか?

こんどう 第2号は…今はしんどいです(笑)。元々カフェでお茶するのが好きだったから、今もいろんなお店によく行っているんですよ。新しいお店ができると、行ってみたい気持ちがあるので。素敵なカフェってまだまだ増えているし、本を作ろうと思えば作れるんですけど…。この本の悪い所は、頑張りすぎちゃった分、次に発信がしにくいというか。

お手紙 そうですね。同じ情報量のものを作ろうとすると、そう簡単にはできないかも。

こんどう 今の気持ちは、同じものを作りたいとも思わないし、気力的にも達成感的にも、作り終えたという気持ちが大きくて…。取材をしたカフェの人にも「とてもいい本だけど、これを前編と後編とか、半々に分けて売っても良かったんじゃない」って言われて。でもその時の私にはそれができなくて。これにすべてを詰め込みたいと思っちゃって。出せるかどうかも分からない後編を考えてやるよりも、全部やりたくて。

お手紙 そうですよね。わかります。

こんどう 本当は次のこともいろいろ考えているんですけど、販売処理が思ったより大変だったので、個人よりも出版社から出す、ということもしたいんですよね。ずっと個人で出し続けるのは大変だし…。

お手紙 自分がやりたいと思わなかったら絶対やるべきではない、とは思うんですけど、人に期待されるのって、悪くないですよね。

こんどう そうですね。「2号は…?」って絶対に言われます(笑)。

お手紙 簡単に言うなよ、って思いますよね(笑)。でも、皆に次を期待されるっていう、それだけのものを作ったってことですよね。それは本当に素晴らしいことだと思います。

次回へ続きます。

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