tegamisha

最近、書店や雑貨店などで目にすることが
多くなってきたリトルプレス。
リトルプレスとは、個人や団体が自らの手で制作し、
発行、販売までを行う冊子のことをいいます。
そんなリトルプレスの面白さに
いち早く目をつけた女の子がいます。
彼女の、かわいいモノを見つける目、
ちょっとセンチメンタルな文章、
キャッチーなデザインは話題となり、
乙女たちの間で絶大な人気に。
1年ぶりに発行される「ユルリナ05」の発売を
直前に控えたshachiさんが、
1人で本を作ることへの思いを綴つづります。

|第3話|ときにはライター、ときにはデザイナー|

取材や撮影が終わったら、いよいよ誌面のデザインに入ります。文章を先に書いてからデザインに入る、というパターンももちろんOKですが、『ユルリナ』は“見て楽しい”本づくりを目指しているので、デザイン優先で作業を進めるようにしています。…なんて、なんだかえらそうなことを言っていますが(笑)、自分の中でスムーズに分業できるようになったのはつい最近のこと。はじめの頃は、原稿を1ページ分書いたらデザインを1ページやって…というややこしいやり方をしていたので、ちっとも先に進まず途方に暮れる日々が続きました。さすがに2つの作業を同時に進めるのは、頭がこんがらがってしまいます。デザイナーならデザイナー、ライターならライターに徹するのが一番効率的だと、最近になってようやく気がつきました。

デザインをするときは、「illustrator」と「photoshop」というソフトを使っています。基本的にシンプルで読みやすい誌面になるよう心がけていますが、少しひねくれた遊び心のあるデザインが好きなので、ところどころで「くすっ」と笑えるような工夫をしています。はじめにも書きましたが、もともとはデザインがまったくできない初心者からのスタートだったので、創刊当時は、どんなデザインでどういう仕様の本にするかで長いこと悩みました。その結果、初心者なら初心者らしい発想をしてみよう!と思い、『ユルリナ』は珍しい縦開きに、表紙には思わず飾りたくなるようなイラストをデザインすることに決定。こんな自由な仕様にできるのも、リトルプレスならではの楽しみです。さて、デザインをしている間は、原稿はとりあえずダミーの状態。デザインがひと通り終わってようやく、このダミーにひたすら原稿を埋めていく作業に入ります。そう、デザイナーからライターへ変身です!

『ユルリナ』をご覧になったことがある方はお気づきかと思いますが、『ユルリナ』の文章はとてもゆるく、友達に話しかけるような書き方をしています。商品の値段などはほとんど掲載せず、お店の地図もありません。実用性で言えば少し不親切な本かもしれませんが、『ユルリナ』では“情報”を入れすぎず、気軽に楽しく読める文章を書くよう心がけています。『ユルリナ』を読んで、実際にその場所へ出かけたような気分になれれば…なんて。特集ページの他には、写真付きポエム(?)やコラムなどの連載ページも設けています。通常は誰かに寄稿してもらうパターンが主流だと思うのですが、『ユルリナ』の原稿はすべてわたしが担当。オール自家製、です(笑)。冷静に考えると、著名人でもないわたしがポエムを書いたり、コラムを書いたり…なんだか不思議極まりない本ですなあ。

原稿が出来たら、再びデザイナーに変身してデザインの仕上げに取り掛かります。出来上がったら、プリントアウトして誌面の校正へ。誤字・脱字はもちろん、全体の流れや他のページとのバランスなどもじっくり確認します。同時に、取材先の方々へもメールやFAX、郵送などで誌面を確認していただきます。校正→修正→校正→修正…を何度かくり返し、ようやく誌面が完成したら、いよいよ印刷所へ入稿データを送ります。このとき、前回お話しした「台割」と、全ページプリントアウトした出力見本を一緒に添えて。きれいに刷り上がりますように!と念じながら…。

データが印刷所に届くと、印刷に入る前に「色校正」というものを出してくれます。印刷所によってはそのまま本番!という場合もありますが、さすがにそれは恐ろしいので(笑)、『ユルリナ』の場合は簡易的な色校正を出してもらっています。

色校正では、主に写真の色味やデータなどを確認します。うっかり、この段階で誤字を見つけることも…。これが最後の確認となるため、じっくり時間をかけてチェックしていきます。そして、いよいよ印刷へ! あとは納品を待つばかりです。

さて。印刷についてですが、台割が出来た段階で印刷所に見積もりをお願いしておきます。印刷所で印刷するなんて、一体いくらかかるの?なんて不安に思う方も多いと思いますが(わたしも当初はかなりびびってました)、仕様によっては意外と個人でもできる範囲の金額だったりします。最近では、インターネットでも少部数印刷を受け付けている印刷所がたくさん出てくるので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください。直接印刷所へ行って、紙の見本などを見せてもらうこともできます。ちなみに、わたしの場合は今の印刷所に出会うまで半年ほどかかりました。今ではすっかりお世話になっていて、担当さんとは「いつもの紙でお願いします!」という間柄。印刷所は本づくりのパートナーでもあるので、じっくり吟味することをおすすめします。

次回へ続きます。

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