あなたの人生をきっと豊かにする手紙社リスト。映画部門のテーマは、先月から年間のテーマが「○○の素晴らしさを思い知った映画」と、新しくなりました。今回は、「あの場所の素晴らしさを思い知った映画」です。その“観るべき10本”を選ぶのは、マニアじゃなくても「映画ってなんて素晴らしいんだ!」な世界に導いてくれるキノ・イグルーの有坂塁さん(以下・有坂)と渡辺順也さん(以下・渡辺)。今月も、お互い何を選んだか内緒にしたまま、5本ずつ交互に発表しました! 相手がどんな作品を選んでくるのかお互いに予想しつつ、相手の選んだ映画を受けて紹介する作品を変えたりと、ライブ感も見どころのひとつです。


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お時間の許す方は、ぜひ、このYouTubeから今回の10選を発表したキノ・イグルーのライブ「ニューシネマ・ワンダーランド」をご視聴ください! このページは本編の内容から書き起こしています。




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−−−乾杯のあと、恒例のジャンケンで先攻・後攻が決定。今月は渡辺さんが勝利し、先攻を選択。それでは、クラフトビールを片手に、大好きな映画について語り合う、幸せな1時間のスタートです。


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渡辺セレクト1.『恋する惑星』の香港
監督/ウォン・カーウァイ,1994年,香港,101分

有坂:(前談の「ピクニックシネマ」でこれを上映したという話題で)なんか今、話に乗ってこないなと思ったんだよ(笑)。そういうこと?
渡辺:そういうことです。みんな大好きな『恋する惑星』。これは1994年の香港映画です。で、街としてはもちろん「香港」ですね。やっぱり僕らとしてはリアルタイム世代で、それまでの香港って言ったらジャッキー・チェン、ブルース・リーっていう、けっこうカンフー映画とか。
有坂:あと、チョウ・ユンファね。
渡辺:​チョウ・ユンファ​とかね、マフィアものだったりとか、そういういわゆる香港映画っていうジャンル映画の舞台だったので、完全にそういうイメージだったんですけど、それをまったく覆したのが、このウォン・カーウァイの『恋する惑星』です。クリストファー・ドイルの流線系の光が流れるようなカメラワークとか、そういうので、香港の街っていうのを、完全にもうおしゃれで素敵な街に、この一本で塗り替えてしまったという、そのぐらいの衝撃度があった作品です。この『恋する惑星』って、原題は『重慶森林』というんですけど、重慶マンション、チョンキンマンションっていうんですけど、それが舞台になっていて、そこは香港でもすごい名所となって、みんな観光客が海外からも押し寄せる場所になっているんですけど、もう本当にね、香港を一気に憧れの街にしてしまったというというところで、代表的な作品になっているというので、あたためておりました。
有坂:曲もいいんだよね。
渡辺:ねぇ、フェイ・ウォンの「夢中人」。このビジュアルを見るだけでも音楽が流れてくるくらいだね。そんな作品です。
有坂:この前のピクニックシネマの上映後にも話したけど、フェイ・ウォンの「夢中人」ってオリジナルかと思いきや、実はカバー曲で、でも、やっぱりカバー曲を超えるぐらいのインパクトで、もうハマりにハマってる。フェイ・ウォンの曲は一回聴くと、本当に癖になる。この映画のワンシーンと共に癖になる作品かなと思います。
渡辺:かぶらなかった?
有坂:かぶらなかった。まあ、ちょっと考えたけどね、ウォン・カーウァイは入れようかなと思ったけど、あえて外しました。そんな僕の第一作目は、2006年公開の日本映画です。


有坂セレクト1.『好きだ、』の河川敷
監督/石川寛,2005年,日本,104分

渡辺:ええー。
有坂:これ場所は土地名じゃなく、河川敷。河川敷の魅力を思い知った映画ということでこれを紹介したいと思います。これ、メインキャストは4人で、宮﨑あおい、永山瑛太、永作博美、西島秀俊。このユウとヨースケっていう、この17歳のころを瑛太くんと宮﨑あおいが演じて、それぞれ大人になったら、西島秀俊、永作博美になるという、青春映画というか、青春映画から始まった、まあちょっとロングスパンのヒューマンドラマになっています。で、これは本当にその『好きだ、』というタイトルに表れているとおり、この一言を言いたいんだけど、なかなか言えない高校生の2人の物語で、まあ、大きく物語が動くっていうのは、この2人が思いを伝えられないまま大人に変わるっていうところぐらいで、ドラマで見せるっていうタイプの映画ではなくて、この17歳の好きだって、言葉を言えない2人の空気感。あとは、その時代ならではのこうもやもやしたような、まあ、なかなかその言葉に置き換えられないような感覚を、映像化したという意味で、本当に素晴らしい映画になっています。で、野球部を引退したこの瑛太くんがその放課後、できもしないんだけどギターを買って、こう河川敷で弾いて、そこに宮﨑あおいは寄り添ってみたいなシーンが、この第一部で結構大まかなシーンを占めるんですけど、この河川敷の風景の切り取り方が本当に綺麗で、やっぱりよく考えられているなと思うのは、その河川敷の斜面を生かして、下から見上げるようなアングルで撮ると、河川敷の上を走っている2人と空しか見えないんですよ。で、だいたい逆光だから、2人の自転車で走っている姿がシルエットで映って、本当に綺麗なアングルで、そのやっぱり空の広さ、その開放的な映像なんだけど、でも、こんな開放的な中でも目の前の人に思いを伝えられないっていう、なんかこのコントラストがちょっと個人的にはたまらないし、「10代の頃そうだったよね」って、こう映像で何か教えてくれるような映画になっています。
これは、石川寛という人がつくった監督第2作目なんですけど、彼は元々CMディレクターとして活躍していて、当時でいうと資生堂のマシェリのCM。まさに、そのあのCMの空気感を映画でも表現したという意味で、本当に石川寛は、この後、ペタル ダンスという映画もつくったんですけど、一貫して彼の世界観というのは映像から伝わってくるので、好きな方はぜひその2作目のtokyo.soraと合わせて観てほしいなと思います。音楽は菅野よう子、やっぱり世界観をつくるのに長けた人だなというのが、そういうキャスティングからも分かる1作になっています。前にこれ、キノ・イグルーでも上映したことがあって、立川にあった小さい食堂でやったんですけど、もうそのときには、僕はこの映画の河川敷に魅了されていたので、その定食屋さんで映画を観るだけでは、もったいないと。なぜなら、立川の隣駅の日野には河川敷がある。
渡辺:多摩川のね。
有坂:なら、もう、イベントの集合場所は上映する定食屋さんじゃなくて、日野駅に集合しようということで、観客20人が日野駅に集合して、そこから河川敷を散歩して、会場までみんなで夜の散歩をするっていう、かなり振り切ったイベントをやったりもしました。
渡辺:で、誰かがギター弾き出すみたいなね。
有坂:そのメンバーで、ギターケースを担いだ女の子に一緒に来てもらって、1回、河川敷で休憩を入れるんですよ。そこでは、お菓子を食べながらみんなで休憩するんですけど、一緒に散歩している女の子がおもむろにギターを出して、ギターを静かに弾き出すんですけど、簡単なフレーズが一向に弾けないんですね。「なんなんだこの子、こんな簡単なフレーズも弾けないのか」と思って映画を観たら、実は、それは劇中で瑛太くんがやっているパフォーマンスを、すでに実はやっていたっていう、そういう仕込みも入れたイベントをやるぐらい、この映画に惚れ込んだという『好きだ、』を一本目に紹介しました。
渡辺:なるほど。
有坂:あのイベント楽しかったね。配信でも観れますね。ぜひ観てください!
渡辺:いきなりそうきましたか。じゃあ、僕の2本目いきたいと思います。日本映画、2003年の日本映画です。


渡辺セレクト2.『珈琲時光』の神保町
監督/ホウ・シャオシェン,2003年,日本,103分

有坂:はい、うんうん。
渡辺:これは町でいうと神保町ですね。これは、監督は台湾のホウ・シャオシェン監督です。キャストは 一青窈と浅野忠信です。神保町というのは古本屋の町として有名ですけど、その古本屋で働く男と、その物語みたいな感じなんですね。神保町の雰囲気を、すごいゆるやかな光と柔らかい感じで描き出したのがこの作品なんですけど。やっぱり外国人の切り取る東京みたいなのって、やっぱり日本人が撮るのとちょっと違う魅力っていうのをすごい引き出しているというか、そういうのがあって、例えば、神保町というか、御茶ノ水駅の中央線と総武線とかが立体で川のところで交差する、ああいう画みたいのって、東京の人だとね、けっこう見慣れちゃっているところはあるんですけど、もうやっぱり海外の人から見ると、あそこって今も外国人のフォトスポットになっているらしいんですけど、すごいやっぱり他にはない、東京ならではみたいな風景だったりするので、そういうのを入れてくれるというところが、日本人として、東京の人としても、東京を見返せるというか、そういうまた新しい神保町の魅力を観せてくれるというのが、この作品の街を切り取ったところの魅力かなと。それはずっと思っていたところがあったので、街って言ったら、一つはこれは入れたいなというので挙げてみました。
有坂:これ、俺も候補に入れていました。これは、もうなくなってしまった「エリカ」っていう喫茶店とか、あと天ぷら屋さんね、「いもや」。
渡辺:「いもや」はまだある?
有坂:「いもや」は一回なくなって、復活したらしいんだよ。劇中だと​​萩原聖人が働いてるんだよね。「いもや」は、ヒノキのカウンターで食べる格安天ぷら。こんな安くていいのかっていうくらい。でも本当に美味しくて。さっき順也が説明した電車が立体で交差するあの風景は、ついこの前ね、バナナマンの日村さんと、乃木坂の遠藤さくらがそこを見えるところから、電車がこうやって交差するところを写真に撮るっていうのを、YouTubeでやってるんです。「来たー!」って写真撮って盛り上がっていたから、もしかしたら、その大もとをたどれば、この『珈琲時光』のホウ・シャオシェンの視線がきっかけになっているのかなって思いながら見ましたけど。
渡辺:そんなことやってたんだ。
有坂:そうそうやってた。
渡辺:まあ、「エリカ」っていう喫茶店も、アイスコーヒーが最初から甘いの入ってるタイプの昔ながらの喫茶店。懐かしいね、2店舗ぐらいあるんだよね。
有坂:あれだよね、『珈琲時光』って小津安二郎生誕何周年プロジェクトみたいなやつだよね。
渡辺:そうだっけ。
有坂:そう、小津オマージュで、ホウ・シャオシェンが撮ったってところから始まっていて。だから、小津安二郎が撮った東京とは違う、ホウ・シャオシェンなりの東京を切り取るってことで、かなり気合が入った。で、神保町が選ばれたんだよね。そういう点でも面白いかなと。いい映画だよね、本当に。余韻がすごい残るタイプの映画だよね。じゃあ、そんな作品に合わせて、2作目を変えよう。じゃあ、同じ神保町もある意味で古い街だよね。同じ古都を舞台にした映画です。2007年の作品です。


有坂セレクト2.『シルビアのいる街で』のストラスブール
監督/ホセ・ルイス・ゲリン,2007年,スペイン、フランス,85分

渡辺:おおー。
有坂:監督は、スペイン人でホセ・ルイス・ゲリンなんですけど、彼がフランスのストラスブールを舞台に撮った2007年の作品になってます。これは、一応男の人が主人公でいるんですけど、これはシルビアっていう、昔、交際していた女性のことを忘れられないイケメン男子がいて、ストラスブールのカフェでテラスでお茶をしながらぼーっとしながらも、なんとなく自分でシルビアを探してしまっている。そういう彼の止まってしまっている時間みたいなものを、ものすごい美しい光で、光と繊細な音で切り取った映画です。ある意味、シルビアらしき女性を見つけて、追跡開始するっていう。
渡辺:ストーカーだよね(笑)。
有坂:言葉にしちゃうと、ストーカーとか、いや、そんな恋愛はってなるんだけど、本当にこれは芸術として美しい映画で、誰もが忘れたいけど忘れられないみたいな、そういう記憶とか、感覚みたいなものを映像化したっていうことで、本当にこれは映画作品としてしかできない、本当に美しい映画だと思います。このストラスブールって、僕は行ったことがないんですけど、本当にレンガでどれくらいの築年数だろうという建物ばっかりあって、そこに路面電車が走っていて、ジプシー風の音楽が奏でられたりとか、もうどの時代かもわからなくなるような魅力の詰まった街で、中世風の美しい街並みにも魅了される。その街をも主人公にして撮っている映画なので、この映画を観た人は、きっとみんなストラスブールに行きたくなるような、そんな魅力の詰まった一作です。僕は、これを劇場公開に先駆けて東京国際映画祭で観たんですけど、これが映画祭では、後に語り継がれる上映会になった。というのは、スペイン人の監督ホセ・ルイス・ゲリンというのは、まだ日本ではまったく知られていなくて、いよいよ日本人に紹介される。その1回目が東京国際映画祭の上映だったらしい。で、スペインといえば、ミツバチのささやきエル・スールをつくったビクトル・エリセが巨匠として有名ですけど、そのビクトル・エリセが、日本を代表する映画評論家の蓮實重彦に、「今のスペインで最も素晴らしい監督が行くから、応援よろしく」ってメールを送った。で、蓮實重彦は「ビクトル・エリセに言われたら」といって、檄文を書いて「今すぐシネフィルの人間は東京国際映画祭に行け!!!」 みたいな。そこで有名なのが、あのインテリ蓮實重彦が、その檄文にビックリマークを3つ付けたっていう、「そんなメールみたいな文章をあの人が書くのか!」っていって、映画好きが大挙、押し寄せて、その回はチケットがソールドアウトした。そうしたら、その肝心の蓮實重彦は、まだチケットを取っていなくて、チケットが取れなかったっていう。でも、後に関係者から譲ってもらって、蓮實重彦もその回にいたんだけど、始まる前から異様な熱気で、そのときは何でか分かっていなかったんだけど、後からその話を聞いて、貴重な回に立ち会えたんだなっていう。それぐらい映画ファンの人たちが熱狂してしまうような、何か大きな魅力を持った人がホセ・ルイス・ゲリンって人で、ぜひこれは予告編を観て……配信たぶん無いんだよね。無いので、予告編を観て映像とか音に「うっ」ときた人は、DVDを買っちゃっていいと思います。それぐらいの一本かなと個人的には思います。興味があったら、ぜひ観てください!
渡辺:DVDは売ってるのかな?
有坂:売ってる。
渡辺:なるほどね。じゃあ、僕の3本目いきたいと思います。僕の3本目は、1993年の作品です。


渡辺セレクト3.『青いパパイヤの香り』のサイゴン(ホーチミン)
監督/トラン・アン・ユン,1993年,フランス、ベトナム,104分


有坂:ああ、うんうん。
渡辺:これは街でいうとベトナムのサイゴン、今のホーチミン市になります。ホーチミンがまだサイゴンと呼ばれていた時代を描いた作品なんですけど、監督はトラン・アン・ユンという監督で、ベトナム系なんですけど、フランスで生まれ育っている人なので、フランス育ちの感性で、美しいベトナムを本当に綺麗に切り取った作品です。トラン・アン・ユンもこれがデビュー作ですね。これで鮮烈にデビューして、カンヌ国際映画祭で新人監督賞を獲って、アカデミー賞も外国語部門でノミネートされたという、鮮烈なデビューを飾った作品です。時代も90年代だったので、90年代の世界中から新しい監督が、それまでなかったようなタイプの作品を次々に送り出していた中の一つ。ベトナム映画なんて観たことないっていう中で、こんな美しい映画がベトナム映画なのかという、衝撃とともに迎え入れられた作品です。これはサイゴンに暮らす、ある一家を描いた作品で、その日常を淡々と描いていて、映像で美しく撮った作品なんですけど、過ごしている人たちの佇まいだったりとか、食事だったりとか、洗濯している様子までも全部みずみずしくて美しい。常に亜熱帯なので、雨が降っていたりとか、ちょっと湿度がある感じなんだけど、それもすごいみずみずしい美しさみたいな感じで、とにかく映像が綺麗っていう。「こんな綺麗な街だったら行ってみたい」って思わせてくれる作品だったので。本当に、ベトナムの街を一番美しく切り取った作品だなと思いました。
有坂:これ、今、順也が言った、湿度、ベトっとジトっとしたものが映像から滲み出るんだけど、でも、カメラワークが綺麗なんだよね。横移動して綺麗に動くから、映像はジメっとしているんだけど、カメラワークは洗練されているというバランスが他になかったし、そういうトラン・アン・ユンの美学に共鳴したのが、村上春樹でしょ。だから、ノルウェイの森で「トラン・アン・ユンならいいよ」っていうことで映画化されたっていう。だから、『恋する惑星』もそうだけど、この時代は、アジアから洗練された映画が出てきたっていうのが、ちょっと特別感があるよね。
渡辺:アマプラで観られますね。これは本当に美しい作品なんで。
有坂:はい、じゃあ、そんな美しい作品の後に、ちょっとおバカなテイストのある作品を紹介します。2008年のアメリカ映画です。


有坂セレクト3.『僕らのミライへ逆回転』のビデオレンタル店
監督/ミシェル・ゴンドリー,2008年,アメリカ,101分

渡辺:おおー、はいはい。
有坂:これは場所でいうと、土地ではなくビデオレンタル店ということで紹介したいと思います。これは、スクール・オブ・ロックにも主演したジャック・ブラックと、ミュージシャンでもあるモス・デフが、ダブル主演みたいな形でビデオレンタル店で働く人たちの話です。基本コメディなので設定が変わっていて、潰れかけのレンタルビデオ屋さんで働いていたのがモス・デフで、その幼馴染がジャック・ブラック。2人は悪友だから暇でしょうがない。ジャック・ブラックはいつもレンタル店に行って、ああでもない、こうでもないっていう話をモス・デフにしてみたいな人なんですけど、あるとき、彼が電力発電所みたいなところに忍び込んで、ビビビビって磁気を帯びてしまった状態でレンタルビデオ店に行ったら、VHSのビデオテープのデータが全部飛んじゃう。借りていった人が、「これ中身、何も入ってないんだけど」って、「お前のせいだ」って言って、「どうする、どうする」って。でも、店長いないから、いないし、帰ってくる前にこの場をなんとかしのがないとってことでやったのが、例えば、ゴーストバスターズを自らリメイクしてみようって、もう学芸会レベルのリメイク映画をつくって、恐る恐る貸し出してみたら、まさかそれをみんなが面白い面白いって。あの映画のリメイクもつくってくれって言って、ロボコップとか、ラッシュアワー2とか。
渡辺:リメイクっていうか、そのタイトルとしてやったんだよね。『ゴーストバスターズ』っていうタイトルの中身が飛んじゃったから、自分たちで『ゴーストバスターズ』をやって、『ゴーストバスターズ』として貸し出してたっていう。
有坂:もちろん、それを彼らがつくり直したってことは分かっているんだけど、それをみんなが面白いって評価して、どんどんそれが話題を呼んで、もうあれもこれもって言って、潰れかけていたお店が再生していくんですよ。で、その帰ってきたオーナーもみんなが喜んでくれるから、じゃあ、このまま行こうって言っていたら、彼らの映画をつくり直すという行為が著作権侵害ってことで訴えられて、いよいよレンタルショップが、もうなくなっていってしまう。そのなくなっていってしまうっていうのは、やっぱり街の風景が一つ変わるってことですよね。やっぱりレンタルショップって日常の中にあるもので、例えば映画館だとね、1800円とか2000円払ってわざわざ「行くぞ」っていう気持ちで行く場所だけど、レンタル店ってやっぱりもっと気軽に行ける、映画に触れられる場所。そういう場所の尊さみたいなのが、すごくこの映画に詰まっていて、で、もうそのお店がいよいよなくなっていくってときに、上映会をやるんですよ。お店を使って。その上映会のシーンがいいんだよね。ネタバレになるので細かいことは言えないんですけど、そういう見せ方しますかみたいな、ちょっと本当涙なしでは観られないようなラストまであるコメディ作品です。これ監督したのがミシェル・ゴンドリー。エターナル・サンシャインとかね、ミュージックビデオで言えば、ビョークとかケミカル・ブラザーズとかをつくった鬼才が、本当に良質なヒューマンドラマとして、でも、ちょっとトリッキーな映像も加えながらつくった作品です。これを観るとレンタルショップがどんどんなくなっていく世の中、本当にこれでいいのかと思い直してしまうこと間違いなしな作品なので。
渡辺:でも、これ観られないんだね。
有坂:配信で観られないんだ! これも買っていいと思うな。僕は持ってます。でもね、これ騙されたと思って観てほしい作品だね。あと、タイトルがちょっとイマイチで、『僕らのミライへ逆回転』って、これ原題を誤訳したって言われているんだよね。『Be Kind Rewind』って、レンタル店の、いわゆるビデオって巻き戻してから返してくださいって、店員さんから言われる言葉を原題にしたつもりが、誤訳されて意味のわからないタイトルになったって言われていますが。中身は素晴らしいので、ぜひ観てみてください。
渡辺:久しぶりに観たいなと思ったけど、配信はないんだと思って。じゃあ、僕の4本目は1999年の作品です。


渡辺セレクト4.『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のハバナ(​​キューバ)
監督/ヴィム・ヴェンダース,1999年,ドイツ、アメリカ、フランス、キューバ,105分

有坂:うんうんうん。
渡辺:これは、町としてはキューバのハバナですね。これも90年代の作品なので、90年代の流れで世界各国からくる作品の中の一つという感じで、当時だと確かシネマライズでやっていたと思うんですけど、監督はヴィム・ヴェンダースです。ドイツのヴィム・ヴェンダースが、キューバのミュージシャンたちを追ったドキュメンタリーになります。この追っているミュージシャンたちの音楽が、めちゃくちゃいいんですよね。サントラも、当時大ヒットしたんですけど、とにかく音楽が良くて、このミュージシャンたちが、みんなおじいちゃんという、超ベテランの人たちを追っているんですけど、キューバの南国の雰囲気とか、ハバナの街とか。キューバってよく、ちょっとタイムスリップした街みたいに取り上げられるんですけど、アメ車のめちゃくちゃ古いクラシックカーが、普通に走っていたりとか。キューバってアメリカから経済制裁を受けていて、最新のものっていうのがあんまりなくて、昔のものをずっと修理しながら使っていたりするので、なので、そういう街並みとかですね、道具とか、文化とかっていうのが、そういう感じになる。独特の感じになっていて、それがキューバの魅力だったりするんですけど。そういう街を背景に、キューバの素晴らしいミュージシャンの音楽と、そのベテランミュージシャンたちの南国の雰囲気で、カフェに集まったりするんですけど、平気で遅刻してきたりとか、南の国時間みたいな、すごいゆったりとした雰囲気とかですね。そういう平和的な南国の雰囲気が、前面に引き出された作品になっていて、結構キューバ行ってみたいとかいう人多いと思うんですけど、本当にその雰囲気を一番伝えているのは、この作品がきっかけだっんじゃないかなと思います。この90年代当時で、まだキューバを取り上げているとか、そんなになかったので、もうアメリカの敵のカストロ政権の……みたいな、そういう国としてのイメージだった中でこれが出てきて、平和的なすごい魅力的な街じゃんっていう紹介のされ方というかですね。そういうミュージシャンの映画だったので、ただ街として、実はめちゃくちゃ素晴らしかったっていうのが、これでわかったという、そういう作品でした。
有坂:コンパイ・セグンドとかね、この一行が来日してライブやって、チケットも即ソールドアウトみたいな、大人気だったよね。ヴェンダースね。
渡辺:ヴェンダースは、けっこう攻めているから、いろんなタイプの作品をつくっていますね。
有坂:和歌山で映画館でやっているのかな? これはね、劇場でたまにリバイバルとかもやるので。これね、シネマライズで観たときに、個人的には忘れられない思い出が一個あって、もう今、順也が言ったように、初めてキューバのトップカルチャー目線でキューバを知って、こんな良い国なんだと思って、もう頭の中であの曲が鳴り響いて、パンフレット片手にシネマライズ出たらさ。スペイン坂じゃない? スペイン坂に出た瞬間に、自分の目の前をギャル二人が通って、「あいつ、マジ超むかつく!」って言ってたの。その言葉がスッと入ってきた瞬間に、映画の余韻が全部なくなったの。もう、彼女たちが悪いわけじゃないし、でも、「余韻を返せ」って思うし、それで初めて映画の余韻っていうのをすごい真剣に考えるようになって。
渡辺:ギャルのおかげで(笑)。
有坂:そう、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』と日本のギャルっていうのは、そのギャップも含めてすごい印象的な出来事として、自分の中では残っています。
渡辺:そうなんだ(笑)。
有坂:ショックだった、本当に。じゃあ、僕の4本目に行こうかな。じゃあ、僕は2007年のアイスランドの作品です。


有坂セレクト4.『HEIMA 故郷』のアイスランド
監督/ディーン・デュボア,2007年,アイスランド,97分

渡辺:うーん、うん。
有坂:これはライブドキュメンタリーです。アイスランドといえば、世界的なミュージシャンが多数出てる国ですけど、その代表的なバンドのシガー・ロスの。これはライブドキュメンタリーとなっています。2006年の夏に行ったシガー・ロスのワールドツアーがあって、そのワールドツアーのファイナルが母国アイスランドだったんですね。シガー・ロスは、やっぱりそのバンドの故郷への思いをすごく強く持っていて、自分たちを育ててくれた場所ということで、アイスランドのツアーというのは2週間あったんですけど、その2週間をフリーライブのツアーをやるってことにしたんです。そのライブ会場というのが、いわゆるライブハウスとかホールではなくて、廃墟だったり、いかにもアイスランドな大自然だったり、そういう変わった場所をライブ会場に選んで、さらに告知をしないっていうスタイルでやったんですよ。「人来るのか?」って思うんですけど、やっぱりファンたちはちゃんと情報を集めて来るんですよ。このHEIMAのラストが、シガー・ロスの代表的な「Hoppipola」という曲なんですけど、それがもう誰もが、全世界の人がイメージするアイスランドの大自然をバックに歌うんですけど、そこの歌うまで、お客さんがぞろぞろ集まってくるシーンとか、全然ライブが行われることも知らずに、いつも通りに犬の散歩で来た人の姿とか、そういうのびのびと音楽を楽しんでいる人たちの空気感みたいなのがぎゅっと詰め込まれた、本当に素晴らしいライブドキュメンタリーになっています。あとは、街の音楽隊と途中でコラボしたりとか、本当にシガー・ロスは今や完全に世界的なバンドですけど、そのブレイク前夜というか、半歩足を踏み入れたような、そんなシガー・ロスの姿が観られる作品になっています。これは監督がディーン・デュボア。これはリロ&スティッチの監督。
渡辺:そうなんだ!?
有坂:そうなですよ。なんでその人になったのか、ちょっと僕もわからないんですけど、ある意味、わかりやすさみたいなのはあるんですけど、ヨンシーは「このドキュメンタリーには一番大切な何かが欠けている」って言うんだよね。納得がいってない。だけど、その目線で観ても、めちゃくちゃ感動したので。バンドの内部の人ならではのなにか事情があるにしても、本当に美しいドキュメンタリーになっているので、これはね、配信で観られない作品ばっかり挙げちゃってますけど、シガー・ロス好きは、絶対買った方がいいと思う。
渡辺:このジャケ写だと、ちょっとイメージが違うかもしれないけどね。すごい緑の中の会場で、これ、キャメロン・クロウの幸せへのキセキっていう映画のクライマックスが、まさにね、これのオマージュっていう。
有坂:そうそう、さっき僕が説明した「Hoppipola」の少しずつお客さんが集まってきているっていうものを、『幸せへのキセキ』の動物園オープンに重ねて、オマージュとして撮っているんですよ。
渡辺:マット・デイモン とか、スカーレット・ヨハンソンとかの、なんか田舎に家を買ったら、動物園がもれなくついていたみたいな。そういう話で。
有坂:実話の映画なんだよね。
渡辺:動物園を素人が運営しだすっていう、オープンするんだけど、果たしてお客さん来るのかみたいな。
有坂:来ないんだよね(笑)。
渡辺:そこは観てのお楽しみということで。
有坂:それぐらい影響力のあるライブドキュメンタリーにもなってます。
渡辺:全然かぶりませんね。
有坂:最後は、絶対にかぶらない自信がある!
渡辺:じゃあ、5本目。僕は、基本的に街を場所として挙げてるので、その流れで2006年公開の作品です。


渡辺セレクト5.『かもめ食堂』のヘルシンキ
監督/荻上直子,2005年,日本,102分

有坂:出た!(笑)
渡辺:街としてはヘルシンキです。『カモメ食堂』は、すごいメジャー作品でもあるんですけど、僕のヘルシンキの思い出みたいに言うと、当時というか、『カモメ食堂』が公開されるまでは、カウリスマキの作品が、フィンランドのヘルシンキを描いた映画だったんですね。カウリスマキってめちゃくちゃ癖のある監督なので、本当に社会の底辺にいる人を、いつでも主人公にする監督なので、カウリスマキの当時の映画って、本当に主人公はみんな失業者だし、舞台は夜だし、もう潰れそうなレストランとか、ぶっきらぼうなキャラクターばっかり出てくるみたいな、そういう世界観だったんですね。カウリスマキはキノ・イグルーの名付け親なんですけど、名付け親っていうのもあって、僕はヘルシンキに行ったことがあって、カウリスマキの事務所を訪ねに行ったんですね。そういう旅行をして、そういうフィンランドって暗い国だっていうイメージのままヘルシンキに降り立ったら、めちゃくちゃ煌びやかな、めちゃくちゃ美しい国だっていうのが、衝撃的な思い出としてあってですね。フィンランドってすごいきれいな国だし、ヘルシンキはめちゃくちゃ美しい街だっていう、がらりと印象が変わって、っていうふうに思って帰ってきて、翌年に公開されたのが、この『カモメ食堂』だったんですね。『カモメ食堂』は、もう完全に当時のカフェブームとか、北欧インテリアみたいなところの流行り始めるタイミングで、見事にそれを映像化した作品だったんですけど、なので、『カモメ食堂』で一気にフィンランドって火が付いたんですけど、このときにブームでバーンと来た人たちは、「フィンランドっておしゃれ」、「ヘルシンキってすごい美しい街」から入ったので、僕とのギャップがすごかったっていう意味で、『カモメ食堂』のビフォー・アフターで、全然イメージが違ったっていうところで、印象的な場所だったので、ヘルシンキでこの作品を挙げてみました。
有坂:これはね、あれ、あのお店って行ったの?
渡辺:いや、行ってない。そのとき知らなかったから。
有坂:今も営業しているのかな? 形を変えて営業しているみたいな情報があったけどね。
渡辺:ねえ、そんなヘルシンキって、実はめちゃくちゃおしゃれな街だよって。日本人で初めて気づいたぐらいのつもりでいたんだけど(笑)。
有坂:いやいやいや、とっくにね、その頃、この映画は、撮影はきっと終わっていたんだよね。これを、順也が挙げるだろうなということで。じゃあ、僕の5本目は、絶対かぶらない自信があった、その作品とは、1994年のアメリカ映画です。

有坂セレクト5.『ショーシャンクの空に』の刑務所
監督/フランク・ダラボン,1994年,アメリカ,143分

渡辺:ええ!
有坂:何でこれを挙げたかというと、場所は刑務所なんです。どの場所がいいかなって考えてたときに、いろんな映画のいろんなイメージが頭の中をよぎった中に、ショーシャンクがあって、これってさ、いわゆる刑務所映画。監獄もの、脱獄もの。なので、基本、本編140分くらいあるんですけど、ほとんどが刑務所内なんですけど、これ実際の当時のアメリカの刑務所って、人が入りきらないくらいあふれて、その中でいろんな犯罪が起こってみたいな情報ってあったじゃない。でも、そういう部分は、一切描かれてないんですよ、この刑務所って。ある意味、パラダイスって言うと大げさだけど、シビアな部分をほとんど描かない。で、その主人公のティム・ロビンスが、ある意味人格者でもあるから、うまく看守と交渉して、看守が税金の対策で困っているのを、銀行家だったから僕が代わりにやってあげるから、そのご褒美として僕の仲間にビールを振る舞ってくれって、屋上でみんなで仕事の後においしそうにビールを飲むとか、ビンのビールを飲む。そのティム・ロビンスが、「お前も飲めよ」って言われるんだけど、「俺はアルコールはやめたから」って言って飲まないんだよね。そういう名シーンがあったり。あと、モーツァルトの「フィガロの結婚」のレコードを刑務所内で流れる放送で、勝手に流すんだよね。そういう音楽とかに触れていなかった囚人たちが、改めて音楽の魅力を知るとか、何かそういうヒューマンドラマとしてポジティブな部分ばっかりを描いているから、そこにいる人たちってそんなに困っている感じがしない。なんだろうな。シビアさを、あえて排除している。だけど、周りから閉ざされている狭い世界なんだけど、ポジティブな部分を描くことで映画として見え方が変わる。逆転現象が面白いなと思う。ある意味、場所の良さって、風景とか気温とかいろんなことが大事だけど、やっぱり人も大事だと思うんだよね。本当に魅力的な人がいれば、その場所としての魅力にもつながっていく。そういう意味で、このショーシャンクのティム・ロビンス演じたアンディー、あとモーガン・フリーマンのレッドとか、人間的に魅力的な人がいることで、この刑務所がちょっとユートピアっぽく見えるというのが、映画として魅力的な場所だなと思って、『ショーシャンクの空に』を挙げてみました。これ、前に言ったかもしれないですけど、僕が初めてショーシャンクを観たのは、この94年のリアルタイムに観て、6月3日公開って書いてあるんですけど、僕、当時、石川県金沢市に専門学生として行っていたときで、夏に見たんですよ。夏祭りがある日に、僕はサッカーの専門学校に行っていて、みんなで夏祭りだっていって、夜の金沢の街で待ち合わせして、みんなで彼女を探しに行こうみたいな夜だったんですよ。まだ、ちょっとその待ち合わせ時間まで時間があったから、1本映画を観ようと思って観たのが、このショーシャンクで、観たらもう本当に打ちのめされるほどに。夏祭り行って彼女を探すとか、そんなことやっている場合じゃないと思って、友達の誘いをドタキャンしたという記憶が。それくらい自分の中の善の部分が、めちゃくちゃ映画によって引き出された。そういう意味で思い出深い一作。
渡辺:『恋する惑星』と同じ年なの?
有坂:94年。この年はね。

 

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渡辺:いやー、なんか熱い映画が多いね。けっこう配信で観られるね。
有坂:そうだね。
渡辺:なるほど。刑務所でくるとは(笑)。
有坂:ということで、5本ずつ計10本紹介してみましたが、いかがだったでしょうか。かぶった人とかいるかな? ちなみに、他は何を用意していた?
渡辺:あとは、ちょっと変わったところで、ウイスキーと2人の花嫁。それは、イギリスの下の方の島が舞台なんですけど、あの辺って、スコッチウイスキーとかウイスキーの名産地なので、それに絡めた話なんですけど、そういうウイスキーの話とか。あとは、君の名前で僕を呼んでとかも、北イタリアの避暑地っていうのを。この前、観たばっかりだし。そういうのは候補だったかな。
有坂:俺はね、自分の住んでいる吉祥寺を舞台にしたライブテープ、70何分ワンカットで前野健太が吉祥寺を練り歩くっていう映画とか、あとはウディ・アレンのマンハッタンとかね、前に紹介していたのかな、別のテーマで。あとはアザー・ミュージックっていう、なくなってしまうレコード店を舞台にしたドキュメンタリーとかね。イラン映画で、桜桃の味とか、いろいろ用意していましたがこの5本に収まりました。では、何かお知らせあれば。

渡辺:フィルマークスでリバイバル上映企画をやっているんですけど、6月28日(金)から、ソング・オブ・ザ・シー ​​のアイルランドのアニメーションのリバイバルを1週間限定でやります。これは、『ソング・オブ・ザ・シー 』っていう映画が、ちょうど10周年っていうのもあってやるんですけど、なんだろうキノ・イグルーでも野外上映とかでやったりした作品なんですけど、とにかくアートワークが美しくて、めちゃくちゃビジュアルの綺麗なアニメーションなんです。このカートゥーン・サルーンっていうアニメスタジオなんですけど、今まで作った4本全部、アカデミー賞にノミネートされているという、けっこう驚異的に評価されているスタジオだったんですけど、そこの代表作になるので、こういうあたたかい海のキャラクターをこのぐらいの季節に観たいという作品です。カートゥーン・サルーンのトム・ムーア監督とかが、自他共に認めるジブリ好きっていうのがあって、けっこう作品が全部ジブリっぽいというか、「あれ? これポニョじゃないの?」とか、そう考えるとそう観えてくるみたいな作品だったりするので、はい機会がある日にスクリーンで観られますので。
有坂:一週間限定。あっという間だからね。


有坂:じゃあ、僕はキノ・イグルーの続行中の野外上映会の恵比寿ガーデンプレイスの「ピクニックシネマ」。手紙社の人たちも遊びに来てくれてね、うれしい限りですが、今年は19日間あるうちの、今9日間が終わりました。ここから、今週はパレードへようこそ湯を沸かすほどの熱い愛CLOSE/クロース。来週は、またリアリティ・バイツがあったり、後半にかけてマザーウォーターとか、ブルース・ブラザーズとか、そうですね、ファイナルはカモン カモンということで、無料で予約なしに、ふらっとくれば誰でも観られます。今年は、僕たちの想像を超えるほどのお客さんが来てくれていることもあり、場所取りの時間が日に日に早くなって、2時間前くらいで芝生席が埋まっちゃったり、芝生が埋まっても空いているところには座れるので、もうちょっと遅くても座れるんですけど、それもちょっと怪しいんじゃないかぐらい、お客さんがどんどん話題が話題を呼んでというような状況で、ありがたいことになっています。
渡辺:でも、天候もね、気温とかも暖かいですし、今まで梅雨時期って、まだ寒かったんですけど、今は暖かいので、7月7日の日曜日のみ日本語吹き替え版で上映します。ドイツ映画で、世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方というキッズムービーです。なので、この日は子どもたちにもいっぱい来てほしいなということで、日本語吹き替え版で上映します。ぜひ、ご家族で来ていただけると嬉しいなと思います。

 

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有坂:ということで、今月の「ニューシネマ・ワンダーランド」は以上です。大丈夫ですか?
渡辺:大丈夫です。
有坂:じゃあ、また来月は別テーマでお送りしますので、お楽しみにしていてください!
では、遅い時間まで、みなさんどうもありがとうございました!!
渡辺:おやすみなさい! ありがとうございました!!

 

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選者:キノ・イグルー(Kino Iglu)
体験としての映画の楽しさを伝え続けている、有坂塁さんと渡辺順也さんによるユニット。東京を拠点に、もみじ市での「テントえいがかん」をはじめ全国各地のカフェ、雑貨屋、書店、パン屋、美術館など様々な空間で、世界各国の映画を上映。その活動で、新しい“映画”と“人”との出会いを量産中。

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有坂 塁(@kinoiglu)/渡辺順也(@kinoiglu_junyawatanabe