tegamisha

tico moonのニューアルバム『Raspberry』がいよいよ発売されました!
今回は「music gardener特別編」として、tico moonのおふたりご自身による、
アルバム収録曲全曲解説を行っていただきます。

|track 3.|Waltz for Debby|

お手紙 それでは、3曲目をお願いします。今回2曲入っているカバーのうちの1曲ですね。

影山 はい。今回カバーを入れようということで、ゴローさんに選曲していただいたんです。ビル・エバンスの「Waltz for Debby」という曲で、僕も昔からよく聴いていた大好きな曲だったんですけど、まさかこの曲…という思いもあったんですね。というのが、元の曲が技術的に難しい曲だから。聴くのはいいけど、演奏すると難しいんです。

友加 ゴローさんに言われなかったら、カバーしてないと思います…。

影山 でも、せっかくいい曲を選曲してくれたのだから、頑張らなきゃってふたりで思ったんです。ジャズの曲を演奏したことがほとんどなかったので、自分たちなりにアレンジしてみようと思ってやってみたんですね。で、アレンジが出来たんだけど、テンポがね…。

友加 (曲を聴きながら)今ってこれくらいのテンポじゃないですか。だけど、初めはものすごくゆっくり弾くことしか出来なくて。

影山 そうそう。初めは全てがゆっくりだったんです。

友加 でも、それでもなんとか弾けたからとりあえずゴローさんに聴いてもらおうかって。

影山 アレンジも含めて、一度ゴローさんに聴いてもらって。そしてそのあとゴローさんと一緒にスタジオに入って、テンポを上げてみようとかもっとこうしたほうがいいとか。一緒にアレンジをしたんですね。やっぱり一緒にアレンジをしていただいてよかったなって思います。今回のアルバムの中で3曲ゴローさんと一緒にアレンジをしたのですが、そのうちの1曲です。

お手紙 具体的にはどういうところが難しいんですか?

影山 メロディがあって、流れがあるんですけど、それがたくさん転調したりとか。

友加 すごくコロコロ変わるんですよね。色が移り変わっていくような。

影山 拍子が微妙にポリリズムティックになっていたりとか。あとは内声の動きが計算されていたりするんですよね。自分で演奏してみて分かったことがとても多い曲で、なんていい曲なのかなって。マスタリングの時にエンジニアの方にも言われたんですよね。この曲って本当に弾いてみると分かるんだよねって。良さとか難しさとかいろんなことが含まれてるんですね。元々はピアノとベースとドラムのトリオで演奏されていた曲なんだけど、それが素敵で、モダンで。1960年代に録音されたものなんですけど、ぱっと聴くのと自分で分析して演奏するのとでは全然違う。やっぱり内声の動きなんかも表現したかったし…。まだそれがうまく出来ているかどうかは分からないけど。

友加 まだこの曲は1回もライブでやっていないんです。

影山 きっとこれからどんどん変わっていくと思うけど、逆にレコーディングはすごく新鮮な気持ちで出来ました。

お手紙 ゴローさんはどうしてこの曲を選んだのですかね?

友加 なんででしょうね。

影山 ゴローさんは「カフェと音楽と、」の時も全て選曲されたんですけど、選曲のセンスがすごくいいですよね。「カフェと音楽と、」に入っている元の曲も聴かせてもらったんですけど、アーティストとも合ってるし、意外な所から見つけてくるけれども、いい曲っていうか。naomi&goroの「home」というカバーアルバムがあるんですけど、あのアルバムも素敵な選曲です。センスとかその時の空気とかあるなぁって。今回の「Waltz for debby」は自分たちでは選べなかったであろう曲ですね。

友加 選べなかったよね、きっと。

お手紙 私もこの原曲を好きなんですが、tico moonさんのカバー、とてもいいですね。

影山 ありがとうございます。いい曲ですよね。とにかく難しい曲だったので勢いで録ったんですね。なので、その勢いが演奏に表れていて好きだなぁって思いますね。

友加 この曲がいちばんハープのレバーを変える音が入っているんですよ。ぱちぱち…っていう音が。

お手紙 わあ、それだけ技術的には難しいってことだ!

影山 ある意味では初々しいというか新鮮というか。若々しさとかが表れた演奏になってますね。

友加 余計なことは何もしてない感じ。

影山 核だけが録れた感じですね。最後のほうに足で床を叩いたカチャっていう音が入っているんですけど、「出来た!!」ってうれしくて思わず叩いちゃった音なんです。

お手紙 へえ。

影山 せっかくだからその音を残そうということになって。

友加 喜びが表れてるよね(笑)。

影山 それも含めて演奏なんで(笑)。

お手紙 本当にかわいらしくて美しい曲ですね。

影山 選んでもらってよかったですね。

友加 うん。

影山 これからライブでもきっと演奏していくと思います。

4曲目「footprints」へ続きます。

tico moonからのお知らせ

待望のニューアルバム『Raspberry』がいよいよ発売!

ティコ・ムーンの音楽を聴くことは、泉の水を汲むことに似ている。こんこんとわき出るイメージの中に身を浸す幸せに時を忘れる。
茂木健一郎


tico moon / Raspberry
2008.7.4発売
¥2,625(税込)
ジャケットイラスト 松尾ミユキ
プロデュース 伊藤ゴロー


アイリッシュハープ/吉野友加と、ギター/影山敏彦のデュオ「tico moon」。
5枚目のアルバム「Raspberry」は伊藤ゴロー氏をプロデューサーに迎え沖縄の海の見えるスタジオにて全曲レコーディング。とてもさわやかなアルバムが出来上がりました。CDブックレットには茂木健一郎さん、桑原茂一さん、ゴンザレス三上さん(ゴンチチ)、チチ松村さん(ゴンチチ)、布施尚美さん(naomi & goro)からの推薦コメントも掲載。


1. little bird's tale (吉野友加 / 影山敏彦)
2. Raspberry (影山敏彦)
3. Waltz for Debby (Bill Evans)
4. footprints (吉野友加 / 影山敏彦)
5. Children's song (影山敏彦)
6. 初 恋 (Ennio Morricone)
7. lilac time (影山敏彦)
8. footprints #2 (吉野友加 / 影山敏彦)
9. meeting place (影山敏彦)
10. 砂の記憶 (影山敏彦)


[ tico moonのアルバム ]

[ ライブ情報 ]

lete

2008年7月15日(水)
東京都世田谷区代沢5-33-3
TEL:03-3795-0275
Open/19:30
Start/20:30

mona records

2008年7月20日(日)
東京都世田谷区北沢2-13-5 伊奈ビル2F
TEL:03-5787-3326
Open/18:30
Start/19:00

※ 詳細は、tico moonホームページをご覧ください。

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