柱時計が、ボーンボーンとその時がきたことを知らせる。

僕たちは、まどろみから覚め、半開きの目をこする。
目の前には、真っ白に光る道がずっと遠くまで続いている。

おそるおそる土の感触を確かめる。
足元では、トライアングルをそっと叩いたような音がする。

遠くに目をこらすと、
あちらでは、イルカが楽しげに野原を泳ぎ、
こちらでは、ルリビタキが黄金色の果実をせわしなくついばんでいる。

月光のしわざで、青白く光るタンポポの綿毛が舞い上がり、
霧となって、おごそかに僕たちを包み込む。

僕たちの心のなかには、
いつのまにかおそれはなくなり、
たくさんの光の粒子が、音をたててまたたいている。




9月21日(木)〜10月1日(日)の期間、手紙舎 2nd STORYにて、画家の若林哲博さんと、植物造形作家の是枝錬太郎さんによるふたり展を開催いたします。「またたき」と題した本展では、お二人それぞれの純粋な創作意欲や、自然から受けとったインスピレーションをもとに制作に取り組まれます。造形、絵画、またはその間を揺らぎながら生まれる作品と空間を、どうぞお楽しみください。


*作品は、若林哲博さん、是枝錬太郎さん共に会期後お渡しの売約方式での販売を予定しております。



<作品紹介>

おふたりより、展示に先駆けて作品のご紹介をいただきました。まずは若林さんの作品です。



「ふたり歩く」

穏やかな光と波音につつまれる時、
普段は言えないことも、話せるような気がする。




「天の川を渡る」
是枝さんの作品からインスピレーションを得て描いた作品です。
銀河を旅する鳥。




「またたき星のデルモンテ」

またたき星の住人という設定で、小物をいくつか制作してます。


続いて、是枝さんの作品写真をご紹介いたします。これまで手紙舎では、寄せ植えやドライフラワーリースなど、長年にわたって展示販売いただいておりましたが、今回はワイヤーを用いた造形作品が多数登場します。










<展示限定メニューのご紹介>

会期中、手紙舎 2nd STORYカフェでは展示に合わせた特別メニューをご用意いたします。展示をご覧の後は、ぜひカフェでもお楽しみください。




▷柿とほうじ茶のタルト

“ふたり展”にあわせ、二つの個性が合わさる2層のタルトをご用意しました。サクサクのタルト生地にアーモンドクリームとほうじ茶風味のクリームを重ね、旬の柿をあわせて焼きあげたタルトです。秋の気配を感じながら、ぜひお召し上がりください。





【若林哲博・poppy seeds 是枝錬太郎 ふたり展「またたき」at 手紙舎 2nd STORY】
会期:2023年9月21日(木)- 10月1日(日)
営業時間:12:00-18:00(17:30 L.O.)
店休日:9月25日(月)、26日(火)
場所:手紙舎 2nd STORY
住所:東京都調布市菊野台1-17-5 2F
tel.:042-426-4383

在廊予定日:
若林哲博・・・10月1日(日)
是枝錬太郎・・・9月21日(木)〜24日(日)、28日(木)〜10月1日(日)の、各日12:00過ぎ〜16:00ごろまで


▷若林哲博
金沢美術工芸大学卒業後、パッケージデザインや映像制作の仕事を経て、2014年より金沢の豊かな自然環境のなかで本格的に創作活動を始める。書籍の装画、広告などにも作品を提供。
http://www.isoparm.biz/
instagram

▷poppy seeds 是枝錬太郎
2003年にpoppyseedsとして独立。その活動は、ドライの植物をつかった作品づくりや庭仕事、寄せ植えと多岐に渡る。細かく小さなドライの植物を、独自の感性で組み上げて完成するその作品には、神秘的な美しさと静けさが宿る。
https://poppyseeds.jp
instagram