あなたの人生をきっと豊かにする手紙社リスト。今月の映画部門のテーマは、「もっと友達が好きになってしまう映画」です。その“観るべき10本”を選ぶのは、マニアじゃなくても「映画ってなんて素晴らしいんだ!」な世界に導いてくれるキノ・イグルーの有坂塁さん(以下・有坂)と渡辺順也さん(以下・渡辺)。今月も、お互い何を選んだか内緒にしたまま、5本ずつ交互に発表しました! 相手がどんな作品を選んでくるのかお互いに予想しつつ、相手の選んだ映画を受けて紹介する作品を変えたりと、ライブ感も見どころのひとつです。


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お時間の許す方は、ぜひ、このYouTubeから今回の10選を発表したキノ・イグルーのライブ「ニューシネマ・ワンダーランド」をご視聴ください! このページは本編の内容から書き起こしています。




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−−−乾杯のあと、恒例のジャンケンで先攻・後攻が決定。今月も有坂さんが勝利し、先攻を選択。それでは、クラフトビールを片手に、大好きな映画について語り合う、幸せな1時間のスタートです。


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有坂セレクト1.『スーパーバッド 童貞ウォーズ』
監督/グレッグ・モットーラ,2007年,アメリカ,113分

渡辺:んー、なるほど。はい。
​​有坂:けっこうかぶりそうなテーマだったので、順也に取られる前に。2007年の青春コメディ映画です。これは『スーパーバッド』という映画が、当時は副題で『童貞ウォーズ』という、その副題のせいで観る層がものすごい限られてしまったうえに、日本では劇場公開されなかった悲運の名作となっています。ジャド・アパトーという、2000年代以降のアメリカのコメディ界を引っ張っていくキーパーソンがいるんですけど、ジャド・アパトーがプロデュースを手がけた名作の1本と言われています。これは高校生の話で、女の子に興味津々でそれ以外のことにまったく興味がわかないような、青春真っ盛りの高校生3人の本当におバカで、下ネタ満載で、こんなの本当にアメリカ人にしかつくれないんじゃないか、っていうコメディ映画なんですけど、これが映画の後半にいくに従って、3人の友情物語の要素も強くなってきて、もちろん最後は言えないんですけど、映画史に残る名ラストシーンが最後に待っている、という作品になっています。この映画が、やっぱりこれだけ長い期間愛されて、ちょっと前までリバイバル上映。リバイバルというか、はじめての劇場公開を日本でもやっていて、いまだに根強いファンもいるんですけど、これだけ愛されているのは、本当に青春の光も影も、かっこいいところもダサいところも、ストレートに包み隠さず描いているところが、やっぱりいろんな人たちの信用を得てきたからだと思っています。楽しい裏には悲しさがあったりとか、そこまで表現しきれているところが、やっぱり名作たるゆえんかなと個人的には思っています。あと、俳優たちもやっぱりこの青春映画を観るときに、次世代、ネクストブレイクスターみたいなのを見つける面白さがあって、この映画でいうと、セス・ローゲンとか、ジョナ・ヒルとか、マイケル・セラとかいますけど、今となって一番びっくりするのはこの3人ではなくて、恋の相手役の一人にオスカー女優のエマ・ストーンが出てるんです。
渡辺:今年のアカデミー賞で女優賞を取った。
有坂:そう、オスカーを取ったエマ・ストーンのデビュー作なんですね。女子高生の一人なんですけど、この当時から存在感別格で、そんなエマ・ストーンのギャル姿が楽しめるというところも、今考えると見どころの一つかなと思います。とにかく、この映画はプロットが単純なので、人生で初めて女の子からパーティーに誘われた3人が、お酒を手に入れるのってアメリカはIDが必要で難しい中……
渡辺:未成年はね。
有坂:そう、あの手この手でなんとかやるものの空回りしてはみたいな、そういうダメダメなところから友情物語につながっていって、本当にラストシーン観終わった後は、「自分にもこういう親友がいたな?」とか、「こういう友情を改めていいな」と心から感じられるような、そんな一作となります。観たばっかりってこともあって、この作品から行きたいと思いました。
渡辺:じゃあ、ちょっとそれに合わせていこうかなと思います。
有坂:わかった! あれだね。
渡辺:いや、わかってないだろ、絶対。じゃあ、僕の1本目は、2001年のアメリカ映画です。


渡辺セレクト1.『ゴーストワールド』
監督/テリー・ツワイゴフ,2001年,アメリカ,111分

有坂:違った!
渡辺:これも同じような時代の作品なんですけども、こっちは女の子2人が主人公で、女子高生2人が主人公の作品です。これもリバイバル上映を、この前までやっていた作品なんですけど。これはもう女の子2人の友情の話ではあるんですけど、音楽とかファッションとか、そういったところも結構カルチャー的に話題になっていたりするので、オシャレ映画としてですね。なので、そういう意味で、『POPEYE』の表紙になったりとか、注目されている作品ではあるんですけど、この女子高生2人っていうのは、毎日楽しいことだけを追い求めているみたいな、怖いもの知らずの2人で、おじさんをからかって、今だったらマッチングアプリみたいなのに嘘ついて呼び出して、おじさんが一人ぽつんと待たされている姿を、遠目から見て喜んでいるみたいな。で、怒って帰っちゃったそのおじさんの後をつけて行って、家を突き止めるみたいな。そういう遊びをしているような女の子たち、という感じです。ただ、高校も卒業して、フリーターで同じように遊びほうけてはいたんですけど、一人は「自立しなきゃ」ということで、一人暮らししようとちゃんとバイト始めて、なんかこう社会に向き合っていって、もう一人はその変なおじさんに恋しちゃったりして、何者でもないんだけど上から目線みたいな、そういう若者の、「そういうとこがあるよね」っていうところだったり、ちょっとその痛さが若々しいなみたいな、そういう青春を描いた作品です。なので、大親友だった二人が、ちょっとこう社会に出始めて、立ち位置とか路線が変わってきて、少し距離ができてくるっていう。なので、あんなに一緒にいたのに、すれ違いが生まれて意見が合わなくなってくるっていう。その辺のなんかちょっとこうあるあるでもあるし、なんかそういう、ずっと一緒にいたのに立場が変わったらちょっと疎遠になってしまうみたいな。そういった友情を描いた作品でもあったりするので、その辺もポイントとして、すごい面白い作品です。これもですね。若き日の10代のスカーレット・ヨハンソンが主人公となっているので、これも若いスカーレット・ヨハンソンを観られるというところでも面白いかなと思います。
有坂:これ、本当にもうドンズバのハマリ役だよね。二人とも。
渡辺:そうだね。
有坂:あと、そのからかわれるおじさん役のスティーヴ・ブシェミ。キャスティングが、本当に見事だね。
渡辺:そうなんですね。おじさんからかってるのに、だんだん好きになってきちゃうんですね。
有坂:おじさんもオタクでね。
渡辺:そうそう。
有坂:割となので、そういうファッションとかカルチャーとかを、そこにカルチャーへの愛がある人が元々原作を書いていて、ダニエル・クロウズという、これはコミックなんですけど、それを実写化したときに、コミックに負けないキャラの強さを見事に形にしたね。
渡辺:そうですね。20年前の映画なんですけど、リバイバル上映して、来ているのが若い人たちなので、今の若者にもちゃんと受ける、刺さるものがあるという作品ですね。
有坂:この前、大学生の子も観て面白かったって。
渡辺:本当、見返してみても面白いしね。果たしてこの二人の友情はどうなってしまうのかという作品なので、気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
有坂:そう、なんで、『スーパーバッド』と2本立てで観ると、男女の違いもあったり、いろいろ面白いかもしれません。はい、じゃあ、僕の2本目いきたいと思います。僕の2本目は1991年のアメリカ映画です。


有坂セレクト2.『テルマ&ルイーズ』
監督/リドリー・スコット,1991年,アメリカ,128分

渡辺:ああ、取られた!
有坂:よかった! 来なかったと思って、『テルマ&ルイーズ』。
これもですね、今、テルマ&ルイーズ 4K版がリバイバル上映されていて、二人とも観ていて、そんな話をしていたので、取られてたまるかということで、先に紹介したいと思います。この映画は、さっき、僕は男性二人、三人の青春映画だったんですけど、今度は女性二人の、これはロードムービーになっています。主婦のテルマと、ウェイトレスのルイーズ、二人がひょんなことでドライブ旅行に出かけようとなったものの、途中、駐車場でちょっと暴漢みたいな、ちょっと性被害みたいなのにあいそうになって、それを助けに入ったルイーズが、その男性を打ち殺してしまうんですね。そこから、二人の逃避行が始まるという内容のロードムービーになっています。この『テルマ&ルイーズ』って、90年代を代表する映画とはいわれているものの、僕の中での印象はけっこう薄くて、薄くてというか、ラストシーンは素晴らしかったなという印象だけだったんですけど、4K版で見返したら、「ここまでの名作でしたか!」とびっくりだった!
渡辺:そうだね。
有坂:同じ感想で、お互い見返して本当に良かったと思ったんですけど。
渡辺:今の時代に合っているんだよね。
有坂:そう、やっぱり時代が追いついたんですよ。この映画の監督はリドリー・スコット。ブレードランナーとか、ブラック・レインとかを作ったアメリカの巨匠なんですけど、これは脚本を担当した人が女性で、カーリー・クーリという人で、初めての映画脚本として、この『テルマ&ルイーズ』を書いた人。彼女は、男女間の不平等が激しい映画界の中で、自分の信じた脚本をそのままの形で通したいというものの、なかなかそれがうまくいかなかった中で、リドリー・スコットがそれを受け入れてくれて、ラストも彼女が書いたものを変えずにそのまま作品にしてくれた。本当にラストは、いろいろ意見をもらったり、批判的なものも含めて、結構いろんなメッセージがあったらしいんですけど、結果的にこの『テルマ&ルイーズ』の脚本は、その年のアカデミー賞を受賞しました。その受賞式で、脚本家の彼女は『テルマ&ルイーズ』のハッピーエンドを観たかった皆さん、私にとってはこれがそうです、という超カッコいいコメントを残しました。どんなラストがあったかは、観てからのお楽しみなんですけれど、今だったらよかったね、ああ幸せだねという、わかりやすいハッピーエンドに収めるところを、映画としてこういう表現の仕方があったのかという、目から鱗なハッピーエンドが待っています。それも含めて、あとはジェンダー的なことも含めて、やっぱり時代がようやく映画に追いついた。まさにシスターフッド映画の金字塔かなと思います。あと、これもう一個ネタがあって、主演はジーナ・デイヴィスとスーザン・サランドン。で、脇役にハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセンといますけど、この短い出演時間だけど注目を集めたのが、ブラッド・ピット。
渡辺:ブレイク前のね。
有坂:そう、ブレイク前のね。このブラピがめちゃくちゃかっこよくて、「それはスターになるよな」っていう、キラキラした原石みたいな登場の仕方をするんですけど、実はこの役のオーディションで落ちたある名優がいるんだけど、その話って知ってる?
渡辺:なんかね、誰か忘れたけどあったね。
有坂:そう、これブラピの盟友で、ジョージ・クルーニー。後にオーシャンズシリーズで共にするジョージ・クルーニーが落ちて、ブラピが抜擢されたっていう、そんなちょっとした小ネタもある『テルマ&ルイーズ』。ぜひ、観てください。
渡辺:この当時って、ゲッタウェイとか、トゥルー・ロマンスとか、わりとバディもののロードムービーで逃避行みたいなやつが結構多くて、その中の一つっていう印象だったんだけど、今見直すとね、男女じゃなくて女性同士っていうのもあるし、ジェンダー的な意味合いが、こんな意味持っていたんだっていうのが、今だとよりわかる。
有坂:そう考えると、当時の自分の感覚がやっぱりまだ、今ほど意識が高くなかったってことを思い知らされたりもするから、それも映画の面白いところだよね。
渡辺:あの旦那とか、超クズだなって。
有坂:すごいよね、あの役。逆に、今描けないぐらいひどい役だよね。
渡辺:すごいですね。取られちゃったなあ、これは完全に。言っときゃよかったです、後悔。じゃあ、ちょっと僕の2本目は、気を取り直して、2016年のアメリカ映画です。


渡辺セレクト2.『ドリーム』
監督/セオドア・メルフィ,2016年,アメリカ,127分

有坂:おお。
渡辺:これは1960年代を描いた、宇宙開発のNASAを舞台にした作品です。これ、NASAって超天才たちが集められて研究所でみんな働いているんですけど、数学的な天才を集めていて、その中で、女性で黒人の3人も全米から優秀な人材として集められて働いてるんですけど、黒人であって女性であるっていうことで、60年代なので男尊女卑であったり、差別であったりというところを受けながら、たくましくというか3人の友情を育みながら、同僚かつ親友みたいな位置づけの3人が、明るくですね、そういう苦難を乗り越えていくっていう話です。
けっこう憎たらしい上司とかいたりして、それを懲らしめるというか、そういうシーンもあるんですけど、もう前半のちょっとやられてる感があるので、そのシーンのときにはスカッとすること受け合いのシーンがあったりとかですね。もう最後には完全にポジティブになるタイプの作品なので、音楽もすごくいいし、60年代ファッションとか、クラシックカーとか、そういった美術も素晴らしいので、作品としてすごく面白くて、基本的にアップテンポでノリノリの感じで、まあ差別とか受けるんですけど、それをやり返したりとか、そういうスカッとするシーンもありっていうかなりポジティブな作品になっています。フィルマークスでも評価もめちゃくちゃ高いし、これは万人受けするタイプの作品かなと思います。この3人のキャラもすごくいいので、ぜひこの3人の友情も楽しんでいただければと思います。
有坂:あともう一人、キーパーソンがケヴィン・コスナー、まさかのケヴィン・コスナーが名優だった。
渡辺:この頃から脇役でちょっと光りだしていたよね。主役を張っていた人だったけど。
有坂:どっか自分で、あれかな、プライドを捨てたのかな? あんまり助演をやらないタイプじゃない? もう本当に絵に描いたような主役タイプだったけど、脇でこんなに輝けるんだっていう。
渡辺:そうなんだよね、脇で結構いい作品なんかも出ているからね。
有坂:あと、この映画は邦題でちょっと損しているというか、『ドリーム』っていうシンプルなタイトルですけど、原題は違うんだよね。「隠された数字」みたいな、「隠された才能を探す」みたいな、そこをシンプルにしたけどシンプルすぎて、ちょっと作品の全体の雰囲気がちょっと掴みづらいところは、ちょっともったいなかったなと。でも、これは名作ですね。
じゃあ、僕も同じ2016年の映画でいこう。『ドリーム』とはまったく異なる日本映画にいきたいと思います。


有坂セレクト3.『セトウツミ』
監督/大森立嗣,2016年,日本,75分


渡辺:おおお、はい、はい、はい。
有坂:これは、NASAとか宇宙、そういった壮大なものとは対照的な、関西に住む男子高校生の日常を描いた作品です。主演が菅田将暉と池松壮亮。この二人のダブル主演で、ここに中条あやみがちょっと絡んでくるというぐらいで、ほぼ二人の映画と言ってもいいかなと思います。一応、原作がコミックとしてあって、それを映画化しているんですけど、映画は短編、ショートムービーを集めたような、全部8話をトータル75分で描いた、すごく観やすい映画でもあって、もうちょっと観たかったなあっていうところで終わってくれる、そこの塩梅も絶妙だなと思って、個人的には好きな映画です。これは池松壮亮は塾通いでクールな少年を演じていて、菅田将暉は元サッカー部で天然キャラみたいな、ちょっと対照的な二人だからこそドラマが生まれてくるみたいな。ドラマっていっても、そんな大きなドラマは生まれないんですけど、本当に放課後、街中で座って、なんかダベってみたいな、そのなんでもないような日常の中にも面白いものがあるっていうことを、すごく才能のある俳優二人が映画化してくれた、そんな作品になっています。例えば、その全8話の中で、どんな話があるかというと、「お前には何々の節がある」っていう言い回しを使った、“節がある選手権”っていう、言葉遊びで遊び始めたりとか、相手の誕生日をサプライズでお祝いしようと思ったら、間が悪すぎて、よりによって飼い猫が死んじゃった日にサプライズを仕掛けちゃったりとか、本当にそういうちょっとしたことがきっかけで生まれるズレとか、でも、それを超えてちょっとした二人の友情とか、そういうものを淡々と描いている作品。
渡辺:関西弁なんだよね。
有坂:そう関西弁。
渡辺:だから、掛け合いが漫才みたいだよね。そういう感じだよね
有坂:そうなんだよね。コントを観ているみたいなテンポの良さもありますけど、これはね、原作は僕、読んでないので。
渡辺:漫画だよね。
有坂:そうそう漫画。サクッと観られるので、何か一本観たいなっていうときには、改めて池松壮亮と菅田将暉ってすげえなと。
渡辺:なんかインタビューで、菅田将暉が、「池松くんの関西弁は30点」って。
有坂:菅田将暉は関西の人だからね。
渡辺:そう、関西人だから、「まだまだやな」みたいな。
有坂:そのネタもさ、この映画のネタみたいだよね。
渡辺:マウントをとっていましたよ。
有坂:そうか。
渡辺:東京の人から見たら、全然わかんないけどね。全然ふつうに関西っぽいなって思うけど。
有坂:二人は声も素敵だし、セリフを喋っているのを、永遠聞いていられるタイプの俳優だから、本当にベストなキャスティングだったなと個人的には思います。
渡辺:じゃあ、僕の3本目、日本映画で、2005年の日本映画。


渡辺セレクト3.『リンダ リンダ リンダ』
監督/山下敦弘,2005年,日本,114分

有坂:んふふ、そっか。
渡辺:これは山下敦弘さんの代表作の一つじゃないかなと思います。『リンダ リンダ リンダ』は女子高生4人の話で、その名のとおりバンドを組んで、THE BLUE HEARTSの歌を歌うっていうお話です。これは文化祭でTHE BLUE HEARTSの演奏をするっていう話なんですけど、「バンドメンバーがいない」みたいな。でも、もうすぐ文化祭っていう、そんなピンチな状況で、もうなりふりかまわず韓国人留学生の子も巻き込んで、「いざ文化祭で!」みたいな、そういう青春コメディです。
なので、なんて言うんですかね。もう何もわからない高校生が何かをしようということで、初めて夢中になって真剣に取り組んで、そして何かを成し遂げようとする。それを観ているだけで、この青春に笑って涙するっていう、もう本当に青春映画としてもめちゃくちゃ代表作の一つになるんじゃないかな、という作品です。このときの主演のペ・ドゥナも、もう若手の韓国女優として出始めてきたところを、日本映画で早速起用する、山下監督のその辺のすごさもあるし、やっぱりこれは何回見ても面白いタイプの作品かなと思いますので、これが2005年。
有坂:この後、是枝さんが空気人形でペ・ドゥナを抜擢したんだよね。こっちの方が先なんだね。
渡辺:そうだね。これももう20年前ぐらい。
有坂:そうか20年前。早いね。
渡辺:だから、こういうのもまた今観ても、面白いかもしれないですね。
有坂:香椎由宇とか、松山ケンイチも出ている。しかも、甲本ヒロトの弟も出ている。
渡辺:そうだね。甲本雅裕、THE BLUE HEARTSつながりでね。でも、けっこう役者としても、いろんなところに出ているからね。はい。という名作でした。
有坂:じゃあ、僕の4本目は、ちょっと雰囲気を変えて、イタリア映画にいきたいと思います。


有坂セレクト4.『丘の上の本屋さん』
監督/クラウディオ・ロッシ・マッシミ,2021年,イタリア,84分

渡辺:なるほどね!
有坂:今まで紹介してきたものって、僕のもそうだし、順也のもそうだけど、割と同世代の友情ものが多いんですけど、『丘の上の本屋さん』は、もうおじいちゃんに近い年齢の人と少年の友情物語になっています。これは、イタリアの中で最も美しい村の一つと呼ばれている場所を舞台にした、書店のオーナー、店主のリベロという人と、この移民の少年の友情物語になっています。映画の舞台は、ほとんど本屋さんが舞台になっていて、上映時間は84分。わりとコンパクトなものなのでサクッと観られるんだけど、わりと年齢を超えた友情って、映画の中でもあんまり観られないので、そういった意味でも、もっともっと多くの人に観てもらいたいなと思う一本です。これ、フィルマークスでも、そんなにレビューを書いている人、いないよね。
渡辺:そうだね。
有坂:ページ数もそんなになかったかなと思うんですが、これはなんで友情が生まれたかというと、リベロが店主を務める古書店に移民の少年が本を買うわけでもなく、立読みみたいに外に置いてあるものを読んでいたら、だんだんその好奇心旺盛な少年を店主が気に入って、本を貸してあげるんです。貸してあげたら、だんだんその少年が本の素晴らしさに目覚めていくから、「これも読んだ方がいいよ、これもいいよ」ってことで、最初はコミックなんですけど、それが『星の王子さま』になって、あとはメルヴィルの『白鯨』とか、『ドン・キホーテ』とか、そういうところにいく。やっぱり何か、僕たちでいうと映画だったり、何かそういうものを好きでずっと観続けている人って、あるとき観てきたものが、若い世代に届けられることの喜びみたいなのがあるじゃないですか。それそのものを、本当にシンプルに映画にしたのが、この『丘の上の本屋さん』です。そういったシンプルな二人の友情物語。友情物語というか、本当に本を通して生まれた友情。結果的に生まれた友情みたいなところも素敵だなと思うし、あとはこの舞台が、村も美しいし、街並みの建造物、そういう舞台ではなく、やっぱり映画としてつくりたかったなってところも、そういうところには現れていて、こういう本をテーマにした映画は。あと、名台詞がいっぱいあるんですよね。そこにもぜひ注目して、名言大好きみたいな人にも響く一本かなと思うので、ぜひ観てほしいなと思います。
渡辺:この男の子が、移民の子なんだよね。
有坂:そう、移民なんだよね。
渡辺:だから、移民問題みたいなのも、裏のテーマとしてあったりするので、そういう社会問題を取り上げているタイプの作品だと思います。
有坂:これね、最後にリベロが授けた一冊は何だったか、「そうきたか」っていうね。本の感想を語り合ううちに友情が生まれるって、なんかそういうブッククラブとかもあるじゃない。これからの時代でも有効な形かなと思うので、本好きな方も、ぜひ観てみてください。
渡辺:まさに、そんな作品を続けていきたいと思います。


渡辺セレクト4.『メタモルフォーゼの縁側』
監督/狩山俊輔,2022年,日本,118分

有坂:うんうんうん。
渡辺:これもまさに今の作品と同じような作品で、これは芦田愛菜ちゃんと宮本信子が、二人が主演の作品なんですけど、まさに本でつながる友情の話なんですけど、これの場合は、その本が何かっていうと、なんとBL漫画です。芦田愛菜ちゃんはBL好きの女子高生で、本屋さんでバイトしていて、隠れた密かな趣味としてBL漫画を楽しんでいるんですけど、あるとき、その本屋さんにBL漫画を買いに来たのが、なんと76歳の宮本信子が「ちょっとよくわかんないんだけど」っていって買いに来て、それを案内する愛菜ちゃんが、だんだんBLの話をするようになって、徐々に友情が芽生えていくという話です。いろんな本を愛菜ちゃんが紹介したりとか、「よかったらうちこない?」みたいになって、宮本信子が家に来て、縁側でBLの話で盛り上がるみたいな友情を育んでいきます。そのうち2人がどういう背景の人物なのかも描かれつつ、そして、その二人がついに同人誌のイベントに参加しようということを決めて、それに向かって盛り上がっていくという作品です。
なので、『リンダ リンダ リンダ』の文化祭みたいな感じで、そこに向かって後半一気に加速して盛り上がっていくという、ここもけっこう微笑ましくて、ほっこりしながら観られるんだけど、ちょっと涙もするみたいな、すごくいい作りの作品となっています。なかなかスルーしてしまいがちなタイプの作品かもしれないんですけど、これはけっこうレベルが高い作品なので、チェックしてもらえると面白いかなと思います。
有坂:いや、宮本信子、めちゃくちゃ名女優だよ。本当に宮本信子ってBL好きだったんだと思っちゃうぐらいキラキラしていて。僕、これ、『メタモルフォーゼの縁側』を観たとき、自分の母親にすすめたいなと思って、やっぱり年齢を重ねて、何かを諦めていくんじゃなくて、やっぱり心がときめくことをどこかで求めている人って素敵だなと思うし、うちの母親は年齢を重ねてから、若かりしころにやりたかったことをやっと形にできた人なので、これ絶対響くだろうなと思ったら案の定。なので、親と一緒に観るということも面白いと思いますし、特に僕らぐらいの親世代だと、「大人はこうあるべき」みたいな、「大人なんだから」って言ってしまいそうな人にこそ観てほしい。そんなの関係ないよと。それを宮本信子が体現してくれているので。愛菜ちゃんの受けもいいんだよね。
渡辺:いやー。もう名女優ですよ、この二人。年の差50歳みたいなのを感じさせない友情、本当に友情があるって見えるからね。これはすごいですね。で、BL好きになったの?
有坂:母親? それよくわかんないですよね(笑)。でも、本当に親子で観られる一本としても、本当におすすめかなと思います。早いもので、最後5本目いきたいと思いますが、最後は僕は視点を変えよう。ドキュメンタリーを紹介したいと思います。2023年の日本映画です。


有坂セレクト5.『くるりのえいが』
監督/佐渡岳利,2023年,日本,102分

渡辺:おお、めちゃめちゃ最近の!
有坂:そうですね。これはもうみんな大好き「くるり」の、これはアルバムの制作現場に密着したドキュメンタリー映画になっているんですけど、くるりっていうと、立明館大学の音楽サークルで出会って、バンドを結成したものの、途中でドラマーの人が脱退して別の人が入って、またメンバーチェンジしたりということがあった末、オリジナルメンバーが再結集して作るアルバム制作の裏側に密着したドキュメンタリーですね。やっぱり、特に音楽、僕は音楽をつくるなんて経験をしたことはないですけど、その答えのない作業を、一人ではなく三人で見つけていく。わりと、本当に音を見つけていくみたいなところからカメラが密着しているので、こういうふうに曲って成り立っていくんだなっていう、絶対普段だったら見られないような裏側に密着できる。それが目撃できるというところが面白いですし、やっぱりもともと友達関係で始まっているバンドならではの空気感とか、そういうものが改めてこの映画はいいなと思って。メンバーたちも最初に脱退したときは、たぶんこの映画では語れないぐらいバッチバチだったと思うんだよね。だけど、それぞれがいろんな経験をして、もう一回やろうと思える何かがあったから再結集したわけで、そのバンドメンバーもあらためて原点に立ち返ったかのような音楽制作をして、一緒に音を見つけていくっていうものが、そのまま純粋に記録されているっていう意味では、本当に貴重なドキュメンタリーかなと思います。少ない言葉から音楽が生まれていくっていうのは、これが普通なのか、もしくはもともとの友情関係があるからなのかは、ちょっと僕にはまだわからなかったんですけど、それぞれ観た人がそれぞれ感じられるように、そこらへんは言葉での説明があえてないので、より多くの人に響く一本かなと思います。
渡辺:熱海かなんかで、やっているんだよね。
有坂:そうそう逗子、じゃないわ、伊豆だ。この伊豆のね、スタジオがめちゃくちゃかっこいいんだよ。海の近くで潮騒が聞こえてくるような、そこのスタジオの風景とか、合間のね、タバコを吸っているシーンとか。合宿みたいに泊まり込みでアルバムをつくっていくんですよ。だから、その日の作業が終わったら、みんなでお酒とか飲んで、喋っているシーンの雰囲気とかもすごくいいなと思って。
渡辺:畳の部屋とかで、海が見えるみたいなところで座っていたりするから、普通に宿に友達どうしで泊まりにいって、音楽の話しているみたいな。そういうところから始まっていくからね。
有坂:オープニング、そうだったね。これ、ちょっと個人的な話なんですけど、これ僕、吉祥寺のアップリンクで観て、これね、本当に奇跡が起きたなと思ったんですけど、このくるりのメンバーで佐藤さん。佐藤さんが、その回にいたんですよ。お忍びで観に来ていて、お客さん15人ぐらいしかいない中の一人がくるりで、くるりと一緒に『くるりのえいが』を観るんだって思って、恥ずかしくて声かけられなかったんですけど、でも、ファンの人はやっぱり気づいて、その後、写真とか撮ってもらったり。
渡辺:そっくりさんじゃなかった?
有坂:そっくりさんじゃなかった(笑)。本物で、なんかポスターの真横とかで写真とかも撮っていたから。まあ、そんな個人的な思い出も含めて、最後は『くるりのえいが』でした。
渡辺:このときにできた、カリフォルニアなんとかって曲も、すごいいいよね。このときにできた新曲もめちゃくちゃいいですね。この映画を観終わった後に、ずっとその曲を聴いていた。
有坂:でも、タイトルは覚えてないんだね(笑)。
渡辺:カリフォルニアなんとかです。
有坂:ちなみに、今の『くるりのえいが』の監督をした人は佐渡さんという人なんですけど、SAYONARA AMERICAっていう細野晴臣さんのドキュメンタリーも撮った人です。
渡辺:あれもいいもんね。じゃあ、僕の最後5本目、2011年の韓国映画です。


渡辺セレクト5.『サニー永遠の仲間たち』
監督/カン・ヒョンチョル,2011年,韓国,124分

有坂:あ、うんうんうん。
渡辺:これもですね、女の子仲良しグループの話です。これは、大人になった仲良しグループのリーダーだった女の子が、がんになってしまって、もう余命わずかっていうことが分かって、それを分かった友達が、かつての仲間たち、女子高生のときに仲良しグループで「うちら最強だよね」みたいに言っていたサニーっていう、この仲良しグループの仲間たちをみんな集めようと。今はもう何してるか分からないんですけど、それぞれを訪ね歩くという話になります。一人一人見つけていくのと同時に、昔どうだったかっていうことが交互にフラッシュバックされるというか、女子高時代パートのドラマも始まったりとかしていく。まあ、昔の話がメインになってくるんですけど、なので、昔こんなふうにやんちゃしてた騒いでたあのメンバーが、今はこんなふうになっているっていう、なんかこう金持ちと結婚した子もいるし、すごく落ちぶれちゃった子もいるみたいな。そういう、なんかそれぞれの大人になったドラマっていうのも同時に展開されていく話になっています。これは本当になんか、さっきの『ゴーストワールド』じゃないけど、女子高生の最強ぶりというか、なんかもう楽しいことに全力みたいなですね。そういう子たちの話とか、ちょっと昔の設定でもあるので、スケバンみたいな感じで、女の子同士がすごい喧嘩し合うみたいな、そういう話があったりとか、恋をしたりとか、一個一個がもう青春ですごい面白い、かつ大人のパートとの対比があることで、最後めちゃくちゃ泣けるっていうですね、ドラマとしてもすごいつくりになっています。これはけっこう出来が良くて、フィルマークスとかでもすごく高いですけど、日本でもリメイクされました。日本のリメイク版は、大根仁監督がメガホンをとって、主演は広瀬すずっていう。で、結構それぞれ有名女優がやってという感じなんですけど、日本のやつは女子高時代と現代とは、韓国とはまたちょっと時代設定を変えてやっていたんですけど。もうコギャル全盛期という時代になっていたので、広瀬すずとかがルースソックス履いて、みんな超ギャルっていう。確かに昔こんなギャルいたなっていう、そんな懐かしさを感じられる作品になっているんですけど、個人的にはやっぱりもう全然韓国版のほうが面白いです。韓国版の方がドラマチックでもあるし、ちょっと誰が誰だかわからないみたいなのもあるから、誰がどういうふうになっていくのか、誰が主人公になっていくのか、っていうのは、そういうわからなさも面白かったです。クオリティはちょっと韓国版のほうが高いので、どっちかを観るっていったら、この韓国版のほうがオススメです。ディスっているわけじゃないですけど。
有坂:これ日本版は、川村元気プロデュースだよね。
渡辺:そうだっけ。
有坂:そう、やっぱりそこはちょっと川村元気っぽいなって思ったのが、「サニー」の韓国版を日本でリメイクしたらってことを想像したときに、時代設定を90年代に変えると、そういう日本独自のコギャル文化があって、流れる曲も安室ちゃんとか、あとオザケンとか、「強い気持ち・強い愛」っていう複題がついている、めちゃくちゃオザケンなんですけど、でも、キャッチーになるようなワードもいっぱいあるし、しかも、音楽担当したのが小室哲哉。
渡辺:そうだっけ。
有坂:なんか、やっぱりそういうベース、良き原作があったものを日本版にうまくアレンジしたいというところが、すごい川村元気っぽいなって思って、それをどう受け止めるかはそれぞれですけど、順也はディスっていました(笑)。
渡辺:いやいや(笑)。今すごいディスりはじめた。
有坂:すごいなって思って、それがあの人のプロデューサーとしての一つの特徴でもあるじゃない。組み合わせとかね。
渡辺:サニー、これはおすすめです。

 

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渡辺:はい、という感じで出揃いましたね。『テルマ&ルイーズ』は取られたな……。あれを最初に出しておけばよかったな。
有坂:他なんかあった? かぶりそうなの。
渡辺:そんなにないかな。『ゴーストワールド』も。
有坂:『ゴーストワールド』は、順也が言うだろうなと思ったから入れてなくて。
渡辺:マイ・フレンド・フォーエバーとか入れてるかと思った。
有坂:『マイ・フレンド・フォーエバー』は、別のテーマで紹介してる。『メタモルフォーゼの縁側』も、すでに紹介済みだった。
渡辺:それは、なんか言っていた記憶がある。
有坂:悔しいけど紹介できない。だから、順也頼むって思って。
渡辺:『セトウツミ』は候補に入っていた。
有坂:本当に? でも、紹介が今回はできなかったですけど、『マイ・フレンド・フォーエバー』は、このテーマでいったら真っ先にあがるほどの名作なので、これはぜひ観てください。
渡辺:あとスタンド・バイ・ミーとか。
有坂:グーニーズとかね、あるけどね。80年代のアメリカ映画は、友情ものでの名作が多いよね。
渡辺:そういうのが、まず真っ先に思いついたから、あえて女子の友情でいこうと思って。全部女性の友情に、僕は絞りました。だからね、『テルマ&ルイーズ』で超貴重な1本を取られたと思って(笑)。
有坂:先に言ってよ。それを知っていればいわなかった。でも、それは今回考えていて思ったけど、女性の友情映画って最近すごい傑作が増えてきていて、いわゆるシスターフッドものっていうね映画って、で、映画って対立軸が生まれた方が面白くなるわけじゃない。で、男子って自分に変なこだわりとか、プライドとかがあって、人とうまくコミュニケーション取れないとか、噛み合わないからこそドラマが生まれる。けど、女性の共感性とかバランス感覚とかの良さが、逆に物語にしづらい部分っていうのはあったなと思うんだけど、そこからだんだん時代が変わってきて、女性が連帯していくみたいなところにフォーカスした瞬間、シスターフッドの傑作がバンバン出るようになってきて、それは本当に今見どころの一つでもあると思うので。いい視点で選んでるね!
渡辺:そうですよ(笑)。
有坂:はい、ということで、皆さんもね、それぞれの友達が好きになってしまう映画を考えてみてください。じゃあ、最後にお知らせがあれば。

渡辺:僕はフィルマークスの方でリバイバル上映企画をやっているんですけど、ちょうど4月19日、今週の金曜日からメメントをリバイバル上映します。ちょうどオッペンハイマーというアカデミー賞とった作品のクリストファー・ノーラン監督の初期傑作を、1週間限定とかなので、すごく短いんですけど、劇場で観られる機会はなかなかないので、ぜひこの機会に観てもらえると嬉しいです。
有坂:東京だと、どのへんの劇場でやるの?
渡辺:新宿ピカデリーとか、池袋HUMAXシネマズとか、恵比寿とか、調布とかですね
有坂:『メメント』ね。ノーランの天才が爆発した初期傑作。
渡辺:最近、フォロウィングっていうノーランのデビュー作も映画館でやっていたんですけど。
有坂:僕は『オッペンハイマー』を観て、もう改めて、ノーランと同じ時代に生きられて幸せだなと感じたばっかりだったので、改めて『フォロウィング』も『メメント』も公開当時から観てないから。
渡辺:『フォロウィング』観られた?
有坂:『フォロウィング』はビデオ。『メメント』は劇場公開で初めてのノーランで。ビデオスルーで、それ以来観てないからあわせて観たいな。

有坂:はい、僕からはキノ・イグルーのイベントで、5月5日、こどもの日に町田にある薬師池公園というところで、去年に引き続き野外上映会を開催します。今年の上映作品はピーターラビットをやります。この公園が、ほんとうに芝がばーっと広がって、空も広くて、めちゃくちゃ気持ちのいい公園で、まさに草の陰からピーターラビットが出てくるんじゃないかというような環境で、日本語吹き替え版で上映するので、ぜひ親子でゴールデンウィークの思い出をつくってほしいということで提供します。夕方から場所取りに来てもらって、こういう夕方の気持ちのいい時間から、お酒とかおいしいものとか食べながら、日が暮れるのをみんなで待って、そういう映画を待っている時間も楽しいと思うので、予約もなく無料で観られる映画なので、ぜひ遊びに来てもらえたら嬉しいです。僕と順也もいるので、見かけたら気軽に来てもらえたら嬉しいです。

 

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有坂:はい、ということで。
渡辺:最初ね、ちょっとバタつきましたが、無事に。
有坂:ディスった?
渡辺:いえいえ、ディスってませんよ(笑)。
有坂:今日はこのカメラの向こう側に、スペシャルゲストが見に来てくれていて、木工作家の松本寛司さんがちょうど手紙舎 2nd STORYで展示をされているということで、今日、見に来てくれていました。ちょっと顔出しますか?
渡辺:どうぞ、どうぞ。
有坂:展示っていつまでですか?
松本:今日が初日です!
有坂:急に呼んじゃいました(笑)。たまに、手紙社まわりの人で見に来てくれる人がいると新鮮だね。嬉しいね!
ということで、お届けしました。4月のニューシネマ・ワンダーランドでした。来月以降も、テーマがね。
渡辺:そうだね。
有坂:この1年は、2カ月を対にして、前回だと「もっと家族が好きになる」、今回は「もっと友達が好きになる」という対になるテーマでやっていたんですけど、もっと面白いテーマを小池プロデューサーが考えてくれるはずなので、みなさん、どうぞ楽しみにしていてください!では、今月のニューシネマ・ワンダーランドはこれで終了です。みなさん、ありがとうございました!!
渡辺:ありがとうございました! おやすみなさい!!

 

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選者:キノ・イグルー(Kino Iglu)
体験としての映画の楽しさを伝え続けている、有坂塁さんと渡辺順也さんによるユニット。東京を拠点に、もみじ市での「テントえいがかん」をはじめ全国各地のカフェ、雑貨屋、書店、パン屋、美術館など様々な空間で、世界各国の映画を上映。その活動で、新しい“映画”と“人”との出会いを量産中。

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有坂 塁(@kinoiglu)/渡辺順也(@kinoiglu_junyawatanabe