あなたの人生をきっと豊かにする手紙社リスト。今月の映画部門のテーマは、先月の夏映画に続いて、「もっと冬が好きになってしまう映画」です。その“観るべき10本”を選ぶのは、マニアじゃなくても「映画ってなんて素晴らしいんだ!」な世界に導いてくれるキノ・イグルーの有坂塁さん(以下・有坂)と渡辺順也さん(以下・渡辺)。今月も、お互い何を選んだか内緒にしたまま、5本ずつ交互に発表しました! 相手がどんな作品を選んでくるのかお互いに予想しつつ、相手の選んだ映画を受けて紹介する作品を変えたりと、ライブ感も見どころのひとつです。


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お時間の許す方は、ぜひ、このYouTubeから今回の10選を発表したキノ・イグルーのライブ「ニューシネマ・ワンダーランド」をご視聴ください! このページは本編の内容から書き起こしています。




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−−−乾杯のあと、恒例のジャンケンで先攻・後攻が決定。今月も有坂さんが勝利し、先攻を選択。それでは、クラフトビールを片手に、大好きな映画について語り合う、幸せな1時間のスタートです。


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有坂:今月もキノ・イグルーの「ニューシネマ・ワンダーランド」を始めたいと思います。
今月、もう8月も終わりですけども、キノ・イグルーとしては、野外上映会がありまして、恵比寿ガーデンプレイスのピクニックシネマも、4年ぶりに復活ということで、ご来場いただいた方もいらっしゃると思います。ありがとうございました! 楽しかったね。
渡辺:本当に前日で雨予報みたいなところからスタートし、結果的には全日程できて、本当に良かったです。
有坂:改めてここからまたイベントも再スタートということで、盛り上げていきたいなと思いますが、このキノ・イグルーのニューシネマ・ワンダーランド、今月のテーマは「冬が好きになってしまう映画」ということで、真夏にお届けする冬映画ということで、何を選ぼうかなというときに、今日も外が暑すぎて、なかなか映画がイメージしにくかったのもあったんですけど、そもそもアパレル業界の人はみんなこういうことだよね。
渡辺:そうだね。
有坂:そうそう、一つシーズンを先取って考えるという、ちょっとなかなかない体験で、今回は映画を選んでみました。ぜひ、みなさんも自分の思う「冬が好きになってしまう映画」など、あと、ぜひチャットのコメントで参加いただけるとうれしいなと思います。
今回はたぶんかぶらない気がするんですけど、じゃあまず、僕の1本目、冬が好きになってしまう映画は、1963年のフランス映画です。『サンタクロースの眼は青い』です。


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有坂セレクト1.『サンタクロースの眼は青い』
監督/ジャン・ユスターシュ,1965年,フランス,47分

渡辺:なるほど! 最近観たばっかりですよ。
有坂:だよね。まさに、これ60年代の映画なんですけど、ジャン・ユスターシュという監督の作品で、今、「ヒューマントラストシネマ渋谷」でジャン・ユスターシュ特集をやっていて、ぜひ劇場で、今だったら観られるので紹介したいなということで、この作品を挙げてみました。これは47分の中編映画で、フランスの南西部にあるナルボンヌという街が舞台の青春映画になっています。これね、ちょっとなんか可愛らしいお話で、このジャン=ピエール・レオというフランスを代表する名優が職に就いてなくて、だけど、若気の至りで、とにかくモテたくてしょうがないみたいな。そんなダメダメなニートのジャン=ピエール・レオが「モテるためには、ダッフルコートが必要だ」って、ダッフルコートを買うお金を稼ぐために、サンタクロースの格好をして街角で写真撮影するみたいな。それで、ちょっとお金もらってみたいな仕事を始めるんですね。で、その仕事をしながらナンパしたりとかっていう、本当にもうダメな若者が主人公の映画なんですけど、この映画は、僕は個人的にちょっと思い入れがあって、というのもこれ、僕が観たのはもうだいぶ前で、これ上映日2001年って書いているか。そのときかな? キノ・イグルーをやる前に劇場で観て、僕も「ダッフルコート欲しい」って思っちゃって、サンタクロースの格好はしなかったんですけど、僕もバイトをして、ジャン=ピエール・レオみたいにお金を貯めてダッフルコートを買おうと、当時日雇いのバイトをしてたのかな。で、それを頑張ってお金貯めて、ドレステリアでダッフルコートを買ったっていう思い出があって、やっぱりそうやって、映画に影響を受けて、頑張ってお金貯めて買ったコートってすっごく愛着がわいて、10年以上着ていたんですよね。そこからもうダッフルコートに目覚めて、ブランドを変え、いまだに冬になるとコートの一着はダッフルコートっていうぐらい、好きになるきっかけを与えてくれた映画でもあります。
渡辺:ふふふ。
有坂:「冬が好きになってしまう映画」を選ぶポイントとして、やっぱり登場人物のファッションって大事だなと思っていて、そういう意味でも、僕にそこまでの影響を与えた『サンタクロースの眼は青い』から始まらないといかんかなということで選びました。ユスターシュの映画っていうのは、基本的には、出てくる人たちが本当にダラダラ話して、ダラダラ生活してっていうような、言葉で説明したら全然面白くないような内容なんですけど、これが不思議とね、映画として面白い。なかなか言語化するのが難しいタイプの個性的な監督になってます。この『サンタクロースの眼は青い』は、ジャン=リュク・ゴダールが『男性・女性』という映画をつくったときにフィルムが余って、「そのフィルムを使ってなんか映画撮りなよ」っていって撮った映画なんですね。『男性・女性』の主演でもあるジャン=ピール・レオも使って撮ってるっていうところで、なんかぜひ『男性・女性』と二本立てで観てもらうと、あっちはパリ、こっちはそのユスターシュの自伝的な話なので、彼の出身のナルボンヌっていう街なんですけど、それぞれ街の雰囲気もね、すごく映像に閉じ込められているので、フランス好きにはたまらない一本かなと思います。ぜひ観てみてください。
渡辺:なるほどね。これレンタルもないし、配信もなくて、本当に僕も全然観られてなくて、今回の特集でようやく観られたという感じなので、なかなか貴重な機会だと思うんで、本当にちょっとでも興味ある人は、今観ておくと。
有坂:そうだね。見逃すと、もしかしたら。
渡辺:またね、しばらく観られないかもしれない可能性もあるので。
有坂:9月7日の木曜日まで、ヒューマントラストシネマ渋谷ではやってるみたいです。
渡辺:もうすぐだ! はい、じゃあ、僕の1本目。僕はですね、2004年のアメリカ映画いきたいと思います。



渡辺セレクト1.『エターナル・サンシャイン』
監督/ミシェル・ゴンドリー,2004年,アメリカ,107分

有坂:なるほど。確かに。
渡辺:なんか「冬が好きになる映画」っていうことで、冬ならではの名シーンみたいなものが、あるものがいいなと思ってですね。『エターナル・サンシャイン』は、監督はミシェル・ゴンドリーなんですけど、ミシェル・ゴンドリーの結構代表作でもあるんじゃないかなと思います。キャストは、ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットなんですけど、この2人のラブストーリー……、ラブストーリーって言っていいのかな? ラブストーリーですね。このカップルが破局してしまうんですけれども、その記憶を消しちゃうんですね、彼女のほうが。で、彼のほうも、「もうじゃあ、そんな別れてしまった彼女のことは、僕も忘れてしまおう」と思って、記憶を消す業者のところに行って……
有坂:そういう設定なんですよね。
渡辺:そうなんですよね。そこで、ただ、消す作業の中で昔の記憶っていうのがどんどんよみがえってきて、「あんなこともこんなこともあったな」みたいなことが、よみがえっていくっていう映画になります。その中のワンシーンで、凍った湖の上に2人で寝そべって星を見上げるっていうシーンがあるんですけど、これがね、結構映画的にも名シーンで、ケイト・ウィンスレットは結構カラフルな格好をしてるんですよね。髪の毛は青いので、確か、オレンジ色のコートかなんか着ていたのかな? それが、すごい夜に映える感じがあって、なんか視覚的にもすごい綺麗なですね。いいシーンになっていたりするので、なんかそういうシーンが観られるっていうのも、なんかこう冬映画の醍醐味というかですね、いいところかなと思います。で、ちょっとミシェル・ゴンドリーらしい演出もあったりとか、記憶がこうなくなっていってしまうようなものを演出するときに、どんどん奥に追いやられていってしまう。本棚とかが迫ってきてみたいな。そういう不思議なシーンがあるんですけど、ミシェル・ゴンドリーって、結構斬新な演出をアナログなテクニックでやるみたいなところがあるので、なんか普通だったらCGを使ってやるような不思議なシーンを、CGとか一切使わずにですね、実は、めちゃくちゃアナログな手法で本当に動かしてやっているとかですね。そういうところがあったりするので、なんかそういうのも意識してみると、すごい面白い演出だったりもします。
有坂:クラフト好きには、おすすめしたいタイプの監督なので、小物とかもすごいこだわる人なんですよ。もうディテール命みたいな人が、でも、その映画の大きな物語の中で、自分のその表現を120%まで高めた、僕はもう本当に映画史に残る傑作ぐらいのレベルの映画だなと思っていた。なのに、忘れてた(笑)。悔しい!
渡辺:(笑)、良かった! ねー、そうなんですよ。しかも、この話、結構最後に泣けたりするんで。
有坂:いやーそうだよ。
渡辺:配信とかでも、これは観られますんで、まだ観てないという方は、ぜひチェックしてもらえればなと思います。
有坂:はい、ちょっとまだ心の傷が、まだ動揺してる。
渡辺:危ない、危ない(笑)。
有坂:じゃあ、気を取り直して、僕の2本目は韓国映画いきたいと思います。2011年の作品です。



有坂セレクト2.『次の朝は他人』
監督/ホン・サンス,2011年,韓国,79分

渡辺:なるほど!
有坂:これ、『次の朝は他人』っていうのは、ホン・サンス監督が2011年に作った作品なんですけど、みなさん、ホン・サンスって知ってます? 韓国といえば、もう今はポン・ジュノが、『パラサイト』でアカデミー賞を取って、トップランナーみたいなところにいますけど、ポン・ジュノと本当にもう並ぶ、まったく違った個性を持った監督が、このホン・サンスという人です。いわゆるアートフィルムって言われるような、ちょっと独特な世界観の映画を、はっきりした自分のスタイルの中でつくり続けている人。で、この『次の朝は他人』は、そのホン・サンスがたくさん映画をつくっているんですけど、あんまり数としては多くない、モノクロフィルムで撮った作品になっています。なので、僕、1本目に挙げた『サンタクロースの眼は青い』もモノクロで、やっぱりモノクロの冬の風景ってすごい好きなんだよね。やっぱりカラーよりも冷たさが強調されるので、モノクロの映像の中で、雪なんか降ったときには、もう本当このシーンが観られただけで大満足って思うんですけど、『次の朝は他人』の中にも、本当に奇跡のように、カメラ回していたら雪が降ってくるぐらいの場面があって、そこはもうぜひ観てもらいたい、名場面の一つです。これ物語的には、冬のソウルで出会いと別れを繰り返す映画監督が主人公で、本当に同じような、ある監督の4日間を描いてるんですけど、時間軸が不思議で、パラレルワールドみたいな描き方なんですよ。なので、登場人物が、同じ場所を何回も訪れて、同じような行動を繰り返してるんですけど、よく観るとちょっとずつズレがある。反復しているようで、ちょっとだけズレている。それを反復して観ていくうちに、観客は違った感情が湧き上がってきてっていうタイプの映画です。なので、物語の起承転結を楽しむっていうのとは、楽しみ方のポイントが違うので、そこのスイッチを切り替えて観ていただくと、「よくこんなこと思いついたな」とか、「なんでこれが面白いんだろう」っていうことを考えるのが楽しい。そんな映画になっています。とにかく、これはもう唐突に降ってくる雪のシーンの美しさ、もう今すぐ冬のソウルに飛び立ちたくなるような、そんな一本となっています。79分で尺も短いので、観やすいので、ぜひ観てみてはいかがでしょうか。
渡辺:ホン・サンスの話って、不思議だからね。でも、なんかちょっと同じようなことが繰り返されるけど、ちょっと違う。そこの差に、真実が見えてくるみたいなのは、慣れてくるとホン・サンスらしいなって思う。けっこう定期的に撮っているしね。毎年、新作が観られるので。
有坂:そうだ、あと、一個だけポイントが、物語とかがそうやって緻密につくられているにもかかわらず、素人が撮ったみたいなズームのシーンが、必ず入ってくるんですよ。素人がこうやって動かして、下手ウマとかではなく。
渡辺:「ホームビデオか!」っていう(笑)。
有坂:完全に下手なズームを、たぶん意図的に入れてるんだよね。
渡辺:ちょっと、最近もう癖になってきた。
有坂:そうそう。あのシーンをおかわりしたくなる。「もう一回来い!」みたいな。
渡辺:最初はもう違和感でしかないんだよね。
有坂:でも、その違和感をあえて狙って多分やってるので、なんかそういうところもね。ちょっと感覚的に楽しめる映画なので、注目してみてください。
渡辺:そこを注目しているって、相当“通”だけどね。
有坂:いや、でもさ、一回観たら気になってしょうがないよね。
渡辺:あれを毎回やってんだってわからないよね。
有坂:そうそう、「下手な監督」って普通に言われているからね。全然下手じゃないんだけど、本当は。変わった人です。
渡辺:そうなんですよね。でも、濱口竜介監督とかもね、なんか真似していたりとか、そこを真似するって、なかなか通だなって。そこ気づく人、あまりいないと思うんですけど。
有坂:だから、映画の表現って本当にいろんな形があって、まだこんな新しさがあったかっていう(笑)。
渡辺:ね、なるほどね。そうきましたか。では2本目、いきたいと思います。僕の2本目はどうしようかな。これにします。じゃあ、1995年の日本映画いきたいと思います。



渡辺セレクト2.『Love Letter』
監督/岩井俊二,1995年,日本,117分

​​有坂:うんうん。
渡辺:岩井俊二監督の長編デビュー作なんですよね。中山美穂主演で、けっこう日本でもヒットしたので、有名な作品ですけど、やっぱりなんて言うんでしょう、冬の北海道の美しさみたいなものを、すごい映画で表現した作品だなと思うので、やっぱりなんかこう冬景色というかですね、北海道の美しさみたいなもので、思い出されるのがこの『Love Letter』かなというので、2本目にあげました。これ、話もすごい不思議な話で、事故で彼氏が昔亡くなってしまった中山美穂が主人公なんですけど、彼氏宛てに思い立って手紙を書くんですね。彼の故郷だった北海道の小樽だったかな、に宛てて、手紙を書くんですけど、なんとその手紙が、返信が戻ってくるという不思議な体験が始まります。で、しばらく文通を続けているんですけども、実はそれが同姓同名の別人に届いていたっていう。でも、それは、元彼の同級生でみたいな共通点があって、やがて2人は、会うことにするみたいなですね。そういう話なんですけど、なんかこうちょっと時間軸がずれてるような、不思議な感覚になったりとかですね。岩井俊二ワールドみたいなところが、本当によく出てる作品だったりしますので、そういう意味でもすごい面白いし、岩井俊二が名を挙げた作品でもありますので。で、あの最近、去年ぐらいかな、Netflixで『First Love 初恋』っていう、宇多田ヒカルの歌詞をドラマ化した作品があるんですけど、それがまた北海道で、雪景色で、ビジュアルがすごい綺麗で、なんか『Love Letter』をすごい思い出したんですよね。そしたら、その『First Love 初恋』の監督が、岩井俊二のずっと助監をやっていた人だったんですよね。なので、その質感で、北海道の雪景色をつくっていたっていうのを後から知って、なるほどと思って。だから、「この感じた感覚は、やっぱりそうだったんだ」っていうのを、すごい強く感じたっていうのがあったんで、なんかこの『Love Letter』を好きな人は、まあ、Netflix入ってればですけど、その『First Love 初恋』というですね、ドラマも、めちゃくちゃ胸キュンなあのおすすめドラマなので、合わせて観ていただけるといいなと思います。
有坂:出ましたね、岩井俊二。新作もね、今年公開されるからね。
渡辺:10月から、『キリエのうた』だっけ? アイナ・ジ・エンド。
有坂:そうだよね。アイナ・ジ・エンドですよ。すごい楽しみ!
渡辺:どんな内容かは、ちょっとわかんないけど。
有坂:俺も見ないようにしている。楽しみすぎて。はい、じゃあ、僕の3本目は、同じ1990年代のアメリカ映画です。



有坂セレクト3.『めぐり逢えたら』
監督/ノーラ・エフロン,1993年,アメリカ,105分

渡辺:うん! なるほど。
有坂:若きトム・ハンクスとメグ・ライアンが初めて共演した、アメリカ映画らしいハッピーエンドのラブストーリーになってます。これは、トム・ハンクスには家族がいて、息子と奥さんがいたんですけど、奥さんを亡くしてしまって、その悲しみからなかなか立ち直れていないのがトム・ハンクス演じる父親です。で、その奥さんを亡くした喪失感のまま、クリスマスイブを迎えたときに、この息子がめちゃくちゃ可愛くて、いい子なんですよ。ジョナっていうんですけど、このジョナが、父を気遣ってラジオの人生相談に電話するんです。で、「パパに新しい奥さんをください」とリクエストするんです。勝手に電話をしてしまって、生放送の番組に。で、パパもその電話に出ざるを得なくなって、自分のやるせない胸の内を告白したら、それがアメリカ中の感動を呼ぶわけです。みんなの涙を誘って。その中で、その放送を聞いたボルチモアで暮らしてた女性がメグ・ライアン演じるアニーです。アニーは、結婚を間近に控えていて、もう結婚の準備もしていたんですけど、ラジオの声を聞いて、そのトム・ハンクス演じるサムに、何かすごく運命を感じて、見ず知らずのトム・ハンクスにどんどん惹かれていって、バレンタインの夜に、ついに何かが起こるわけです。これ、もともとは『めぐり逢い』っていう昔の映画、50年代かな、アメリカのケイリー・グラントが主演したラブストーリーがあるんですけど、そこからインスパイアされてつくった映画なんですね。で、インスパイアされたので、もとの映画へのリスペクトも込めて、劇中に『めぐり逢い』本編を観ているシーンが出てきたり、あとは『めぐり逢い』のほうにも出てきたエンパイア・ステート・ビルを、ロケとして使ったりということで、過去の名作との比較で観るのも、結構面白いかなと思います。
渡辺:うんうん。
有坂:やっぱり、こういう王道のラブストーリーで、重要になってくるのは主題歌で、この映画はセリーヌ・ディオンとクライヴ・グリフィンという人のデュエットで、「When I Fall in Love」という曲が流れるんですけど、これがね、セリーヌ・ディオンといったら『タイタニック』じゃなくて、僕の中では『めぐり逢えたら』っていうぐらい、やっぱり、もうこの曲のおかげで、この映画の雰囲気はすごく上がったし、上がったというかなんだろうな、世界が完成したなと思うし、これちょっと観てほしいのが、YouTubeに日本版の予告編も上がっているんですね。オリジナル版の予告編も上がってるんですけど、オリジナルはセリーヌ・ディオンの曲。日本版はね、そのテーマ曲に選ばれた、あのドリカムの「WINTER SONG」が使われてるんですよ。「WINTER SONG」は名曲なんだけど、ハマってないんだよね、やっぱり。っていうぐらい、もうセリーヌ・ディオンの曲が、この映画の世界に合いすぎているので、ここはちょっと比較して観てほしいなと思います。ぜひ、あのこれ、婚約者を演じたそのメグ・ライアンの婚約者を演じたビル・プルマンが、あの捨てられるかみたいな話があって、それが「ひどい」とか、「そんなメグ・ライアンに感情移入できない」とかっていう話がすごい出るんですけど、でも、その結婚は叶わなくても、ここで別れたってことは、お互いにもっと自分に合う人がいるから別れたってことだから、それは長い目で見ればお互いハッピーエンドになるって僕は思っちゃうので、なんかぜひ、それぐらい大きな気持ちで、それぞれのキャラクターを観てもらうと、すごくなんか冬にこの映画観られてよかったな、恋したいなって思うような作品になってるので、ぜひ観てみてください。
渡辺:ゴールデンコンビだもんね。この時代のもうラブコメの。
有坂:そう、この後、『ユー・ガット・メール』だね。また共演して。
渡辺:なるほど。時代を感じるな。
有坂:90年代。
渡辺:はい、じゃあ、僕の3本目いきたいと思います。どれにしようかな。はい、じゃあ僕の3本目は、ちょっと変わり種で、2013年の日本のアニメーションです。



渡辺セレクト3.『ノーマン・ザ・スノーマン ~流れ星のふる夜に~』
監督/八代健志,2013年,日本,26分

有坂:知らないな、知らないな(笑)
渡辺:教えてあげる(笑)。これはキノ・イグルーのイベントで実際やったんですけど、短編のストップモーションアニメです。で、もともとあれだよね、プラネタリウム用に作られた。
有坂:そうそう。
渡辺:短い20分ぐらいの短編アニメーションなんですけど、これが少年と友だちの雪だるまが、流星群を見つけるために、夜、旅に出るっていうですね、そういうお話なんですけど。映像がとにかくめちゃくちゃ綺麗で、キノ・イグルーは、よく野外上映をやっていて、基本夏にやるんですけど、これはあえて冬に。
有坂:そう、クリスマス当日だよね。
渡辺:そうだね。
有坂:去年のクリスマスイブ。
渡辺:東京ドームシティでやったんですけど、やっぱり本当に冬の星空の下で観るのにぴったりな作品で、本当になんていうんですかね、映像も綺麗だし、アニメーションとしてもすごくよくできていて、プラネタリウム用につくったっていうだけあって、星の質感とか流星群のふわーっと降り注いでくる感じとかっていうのが、本当に星空に吸い込まれてくるような感じで観られるっていうのがあって、なんか本当に冬に観たいアニメで、20分ぐらいでさっくりと観られてしまうっていうのもあるので、これは本当に冬に何かおすすめのアニメがあればって言ったら、本当にすすめられるアニメーションとなっています。今ね、Amazonプライムとかでね。
有坂:観られるんだね。
渡辺:いくつかあるじゃん。
有坂:そうだね、続編もある。
渡辺:もう一個、シリーズがあって、そっちは、確か他でも何個か動画配信で観られたと思います、というおすすめなんで(笑)。
有坂:そっかー、観てみます(笑)。これはでもね、思っている以上に、なんかやっぱり面白いし、やっぱりプラネタリウム用なので、星の解説とかが入るんだけど、そこの映像のつくり方とかもかっこいいし、音楽もいいんだよね。
渡辺:そうだね。
有坂:やっぱり流星群が、こうふわーっとなる瞬間でどういう音楽がかかるかで、全然雰囲気って変わってくるんだけど、100点満点の音楽が流れます……まあ、観たことないんだけど……ってそう聞いてます(笑)。
渡辺:そうなんですよ。だから、演出的にもすごいよくできてるんで、これはぜひ冬にね。ちょっと今夏なんで。
有坂:そうだね。
渡辺:暑いんですけど、まあ、それでもなんかこう夜に観るには、すごい良いんじゃないかなと思います。
有坂:なるほどね、変わり種。確かに! じゃあ、僕の4本目は、日本映画いこう。2019年の作品です。



有坂セレクト4.『僕の好きな女の子』
監督/玉田真也,2019年,日本,90分

渡辺:おお!
有坂:これは、ピースの又吉さんのエッセイが原作になった映画で、主演が「黒猫チェルシー」のボーカルの渡辺大知と、今をときめく若手名女優の奈緒が共演したラブストーリーになってます。この映画は、もうそのポスタービジュアルから、2人が並んでコートを着て、真冬、多分そうだよね。渡辺大知はダッフルコートを着て、奈緒ちゃんはニット帽をかぶってっていう。もう本当に冬が舞台のラブストーリーとして、これは描かれているんですけど、コテコテのラブストーリーっていうよりは、渡辺大知はピュアで、まっすぐで、不器用で、なかなか一歩が踏み出せないみたいな、そういうモジモジした男子を演じさせたら、彼は第一人者ですけど、まさにその彼の良さを存分に生かした作品で。対して奈緒は、どっちかというと小悪魔的なキャラ、ナチュラルに小悪魔なのか、確信犯なのか、そこはなんかはっきり描かないけど、その不思議なバランスは、本当に彼女にしか演じられないような、本当にそれぞれ配役が120点満点だなっていう、そんな2人が主演のラブストーリーです。映画の舞台が吉祥寺、井の頭公園が結構メインで出てきて、僕、吉祥寺に住んでいるので、もうそれだけで自分の日常風景が映画になっている。でも、その映画として、本当にこの辺にこの2人が住んでいて、こんなドラマが起こっていそうだなっていうぐらい、なんかこう起こり得る日常を映画にしているんですけど。なんかね、これは賛否両論ある映画で、ちょっと詳しいことは、ネタバレになるので言えないんですけど、これラストシーンをどう解釈するかで、全然映画の見え方が変わってくる。この設定として、男の子の方は、ドラマの脚本を書いてる男の子なんですね。で、なんか自分の書いてる恋愛ドラマの脚本を友達が見たときに、「これあなたの実体験でしょ? ってことは、今、あの子のこと好きなんだね」ってバレちゃうぐらい、自分の日常をドラマにしている。で、そんな彼が、この2人の間でいろんなことが起こって、ラストシーン。あー、なんか言いたいな、言わないと伝わんないんだけど。これが、ざっくり言うと、本当に2人のリアルなドラマなのか、空想なのかっていう、どちらの解釈もできる終わり方なんです。それを、どっちを選ぶかで全然評価が変わってくるっていう意味で、面白い映画だなと思いましたし、原作を読むともっとはっきりオチがあるので、そこはね、そういうところも含めて観てもらうと、新鮮で面白いかなと思います。あと、主題歌がね前野健太。僕の大好きな曲で、「友達じゃがまんできない」っていう、まさにこの映画のための曲っていうぐらいの曲も流れるので、ぜひ前野健太の音楽なども、合わせて楽しんでもらえればと思います。
渡辺:確かに、脚本がね、今泉力哉が協力してるんだよね。
有坂:そうそう。
渡辺:だから、なんかそういう恋愛ものというかね、ラブコメ的なところの要素がすごい入っているっていう。
有坂:そう、あとこれオープニングが最高なので。
渡辺:駅で待ち合わせしてるやつだよね。
有坂:駅に向かってね、LINEしてんの。LINEして12時に待ち合わせだよねっていって、そこを歩いてる彼の姿の横に、2人のLINEのやり取りが出てくる。
渡辺:あーそうだったけ。
有坂:そうそう、そこで、その2人のキャラクターがそのワンカットの中で描かれていて、めちゃくちゃ面白い、よくできたオープニングなので、そこも注目してください。
渡辺:えー、それをあげるとは!
有坂:そう、やっぱりダッフルコート男子が好きなんだよね(笑)。一つのジャンルにしたいぐらい。
渡辺:なるほど(笑)、じゃあ僕の4本目は、これもちょっと珍しい系かな。2017年の日本映画なんですけど。



渡辺セレクト4.『泳ぎすぎた夜』
監督/五十嵐耕平,ダミアン・マニヴェル,2017年,日本,79分

有坂:ああ、ああ。
渡辺:これはあんまり有名じゃないんですけど、ドキュメンタリー作品です。どういう話かというと、小さな男の子が主人公なんですけど、その男の子が住んでいるのが青森県で、雪深い街なんですね。もう本当に雪で包まれた青森の街で、ある日、学校に行こうと思って通学していくんですけど、やっぱり思い立って男の子は道草じゃないけど、違う道のりを歩んでいて、それは大好きなお父さんが働いている魚市場に、実は向かって行ってるっていうですね。そういう男の子を追ったドキュメンタリー。
有坂:ドキュメンタリーじゃないよ。
渡辺:あ、ドキュメンタリーじゃない?
有坂:フィクション。
渡辺:ドキュメンタリー風か! でも、男の子は演技してるというか、普通に素でやっているんですけど。
有坂:そうそう、ナチュラルでね。
渡辺:なんていうんでしょう、小さい男の子が主人公なので、ちょっとどっかに行くっていうこと自体が、もう大冒険っていうですね。ちょっとしたことが障害になる。それを乗り越えていって、大好きなお父さんに会いに行くっていう、本当にそれだけの話ではあるんですけど。雪の中のニット帽をかぶった可愛い男の子が、大人でさえ雪深いところって歩くの大変ですけど、それが本当に小さな男の子が歩いていくって、本当に大変な作業なんですけど、でも、なんだろう「はじめてのおつかい」って番組を観ているかのような、「頑張れ」って応援したくなる、そういう雰囲気にさせてくれる作品なんですよね。あのイメージが強いからね、ドキュメンタリーのつもりでいたんだけど、本当に可愛らしい作品だし、本当にただお父さんに会いに行くだけの話ではあるんですけど、それがすごく子どもにとっては大冒険っていう、ちょっと大人では感じられないような、子ども目線で大きな気づきをさせてくれるような作品となっています。本当に冬景色がとても美しくて。
有坂:そうだね。
渡辺:監督は日本の監督なんですけど、フランス人もね。
有坂:そう、共同監督。
渡辺:そうだよね、ちょっとどこか日本っぽくないというか、そういう目線も感じられる、とても素敵な作品になっています。Amazonプライムで観られるね。
有坂:これ、フランスの監督は、『 若き詩人』という映画を撮っている人で、日本の監督は『息を殺して』っていう映画を作った五十嵐監督という人なんですけど、2人とも、その両方ともベスト10に入れるぐらい好きで、その2人が共同監督って意味がわからなすぎて、それで観たら、さっき順也が説明したみたいに、すごいシンプルなストーリーで、子どもが主人公でっていう設定が、アッバス・キアロスタミ、イランの『友だちのうちはどこ?』とかみたいなつくりの映画なんですよ。もうビジュアルも可愛かったじゃないですか、水色のニット帽とかね。そう、なのでもういろんな意味で、衝撃と満足度の高かった一作かなと。
渡辺:そうですね。結構こじんまりと公開したので、あんまり知られてないと思うんですけど。
有坂:79分で尺的にも短いね。冬の青森。そう来ましたか、やっぱり全然被らないね。ラストでかぶったりして。では、最後、僕の5本目はスペイン映画です。



有坂セレクト5.『アナとオットー』
監督/フリオ・メデム,1998年,スペイン,112分

渡辺:うーん!
有坂:これはアナとオットーという男の子と女の子が主人公なんですけど、2人は8歳の時にある森の中で運命的な出会いをします。その後、あることがきっかけで、アナのお母さんとオットーのお父さんが再婚することになるんですよ。2人は義理の兄妹になる。でも、親が再婚する前に、2人は相手に対して恋愛感情を持って、本当に運命の人に出会ったと思っていたら、義理の兄妹になっちゃう。でも、その義理の兄妹になって、じゃあ2人がどうしていくかというときに、今だと多分描けないような、わりと踏み込んだ方に物語が進んでいくんですね。ここではちょっとあえて紹介しませんけど。やっぱり人間の欲深い部分とか、動物的に絶対に嘘つけないとか、そういうところに真摯に向き合いつつも、映像が青みがかったちょっと透明感のある映像で、そういうドロドロした部分を描いていくっていう、そのバランスがすごい面白かった。同じような、同じ物語を、アナとオットーのそれぞれの視点から描くんですよ。そうやって、同じ物語を別の視点から描いていくっていう、その設定も面白いですし、映像のトーンとか、そういうコントラストのある描き方を多分評価したからなのか、かのスタンリー・キューブリックが大絶賛したっていう意味でも、当時話題になった映画です。
渡辺:そうだったんだ。
有坂:そう、キューブリックが絶賛したから、どんな映画かなと思ったら、確かにキューブリックらしさもあるよなっていうところもありますし、だけど変にまとまった映画をつくろうではなくて、映画としての面白い表現というのを真摯に突き詰めた映画かなと思うので、物語的にはちょっと切ない感じのもの悲しさみたいなものがあって、ラストはかなり衝撃的なんですけど、そういう新しい表現を観てみたいなとか、本当に映画全体から冬を感じる作品でもあるので、そういうものを探している人には、ぜひ観てほしいなと思います。あと、北欧の森が好きな人にもおすすめです。これは90年代の後半を代表する一本かなと思うので、ちょっと最近忘れられがちなんですけど、U-NEXTで観られるので。
渡辺:なるほど。90年代、名作が多いですからね。そうきましたか、じゃあ、僕の5本目は王道というかですね。1946年のアメリカ映画です。



渡辺セレクト5.『素晴らしき哉、人生!』
監督/フランク・キャプラ,1946年,アメリカ,130分

有坂:はい。
渡辺:もうやっぱり冬が好きになるっていうので、やっぱりクリスマス映画をちょっと入れたいな、というところで、クリスマス映画の王道の作品をいきたいなと思います。これはすごい名作中の名作と言われているので、知っている方も多いかもしれないんですけど、クリスマスイブのときにですね、主人公の男は絶望に駆られて自殺を考えるというところから、物語が始まります。そこに天使が現れて、「君がいなかった人生を見せてあげるよ」っていって、見たら、主人公は結構いろんな人に尽くしてきた人生を送ってきたので、その彼がいなかったとしたら、どれだけの人が救われなかったのかみたいなところに気付かされていくという、話になっています。本当にこれはなんていうんですかね。ザ・ハッピーエンドというか、誰もが幸せになる話で、このフィルマークスのスコアも高いですけど、なので本当に昔からの名作と言われていますし、アメリカだとクリスマス、毎年公演されているぐらいのね。
有坂:そうだね。
渡辺:本当に誰もが知る、名作という感じで言われていますし、もう本当に万人が観ても感動できるタイプの作品かなと思います。で、本当にクリスマスに奇跡が起きるみたいな、そういうベタな内容をちゃんとベタに、ストレートに素晴らしく表現できているっていう、それがすごいなと思うので、なんかやっぱり冬、クリスマスにいい、なんかハッピーエンドの映画、観たいなみたいなときに、本当におすすめできる作品だったりしますので、なんかこう古いね、白黒のクラシックみたいなやつで、ちょっと抵抗感があって観てないっていう方も多いかもしれないんですけど、これは本当に誰が観ても面白い作品だと思いますし、こういうなんか昔のやつって結構本屋さんで500円とか安いのでも
有坂:そうだね。
渡辺:売っていたり、DVD、売っていたりもしますし、配信とかでも観られたりしますので、なんかクリスマスに観るっていうのもいいと思いますし、おすすめなので、ぜひ結構いろんなAmazonプライムなど、いろいろ観られますので、まだ観てないよっていう方は、ぜひ観ていただけると嬉しいなと思いますね。
有坂:これはあの、なんかやっぱり人間を信じにくい時代に、今なってきていて、でも、その中でこの映画がつくられたのもさ、結構社会的には46年とかだよね。
渡辺:そうだね。
有坂:なんか暗い時代の中で、そこに光を差し込んでくれるような、ヒューマニズムあふれる映画で、なんか人間讃歌なんだよね。クリスマス映画であると同時に、もう映画史上最高の人間讃歌って言ってもいいぐらいの内容になっているので、クリスマス前に観ても、ものすごい感動できると思うし、クリスマスが楽しみになるかもしれないのでね。これ上映したね。六本木ヒルズにあったトラヤカフェで、クリスマスに上映したことがあります。10年以上前だね。


──


有坂:はい、ということで出揃いました! みなさん観ている映画はあったかな? 『Love Letter』とか、「キターッ!」と反応してくれてる人もいたり、まあ他にもね、いろいろ冬っていう切り口だとクリスマスもあるし、お正月もあるし、バレンタインもあるしね。結構幅広い中から、もう泣く泣く5本ずつ選んでみましたが、いかがだったでしょうか。
渡辺:かぶらなかったね。
有坂:全然かぶらなかったね。なんか、かぶらない自信があるぐらい。なんか今回は、それぞれの視点で選べるぐらいだから、幅が、レンジが広かったんだろうね、やっぱり冬映画の。ぜひ観ていない映画があったら、チャレンジしていただけると嬉しいなと思います。


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有坂:はい、じゃあ、最後に何かお知らせあれば。
渡辺:はい、そうですね。ちょっと毎度あれなんですけど、僕、フィルマークスの方で映画の上映企画、映画館でのリバイバル上映企画とかも結構やっているんですけど、割といくつか今、企画をやっていてですね。ちょうど今でいうと、『パルプ・フィクション』のリバイバル上映っていうのをやってるんですけど、まあ、これはもうすぐ終わっちゃうんですけど。来月ですね。今敏監督の『パーフェクトブルー』という
有坂:すごいところ行くね。
渡辺:アニメーションの、割と傑作と言われてる作品のリバイバル上映を、全国の映画館でやることになりました。これは観てない方もいるかもしれないですけど、何て言ったらいいんだろうな、今、「推しの子」っていうアニメが流行ってるんですけど、アイドルを描いたアニメなんですけど、それを20年前にもうやっていたっていうですね、なんかアイドル主演に、そこにストーカーがいたりとか、ちょっと裏の部分がアイドル業界の裏の部分もちょっと見えるような、まあ、サスペンス的な要素もあるような作品となっていて、これ評価もちょっと高くてですね、ちょっと上手く説明できないんですけど、めちゃくちゃ面白い作品なので、機会があればぜひ観ていただきたいと思います。
有坂:はい、じゃあ僕からは、キノ・イグルーのイベント、この後も結構目白押しで、今週、明後日か横須賀美術館、明後日と明々後日、ムーミンの『パペット・アニメーション』を、「海の広場」で上映します。で、9月に入ってからは、中目黒にある「スターバックス リザーブ ロースタリー」、スタバのなんていうんだろう、5階建てぐらいの本当にもうディズニーランドみたいな、巨大なスターバックスがあって、そこで去年から、去年って今年か、新しく「ロースタリーシネクラブ」っていう企画を始めました。これはロースタリーの空間の中で、一番天井高もあって、気持ちのいい3階のフロアを使って、30人限定で映画が楽しめる。もちろんスターバックスのコーヒーと、あとロースタリーには他の店舗では一切扱ってないイタリアのパン屋さんが入ってたりするんですけど、そういうものも食べたり、飲んだりしながら映画が楽しめるという企画を、今回は9月8日にやってます。この企画がちょっと特殊なのは、ホームページとかSNSでは、一切告知をしていません。どうやったら参加できるかというと、イベント告知用のポストカードをつくっているんですけど、これを中目黒の町に配ってます。そのポストカードについているQRコードからじゃないと申し込めません。どんな映画が上映されるかも、そこからじゃないと分かりません。なので、ここでも言えないんですけど、そのポストカードを見つけた人しか参加資格がないっていう、この時代をあえて逆走した内容でお届けする企画です。内容は言えませんけど、いい映画を選んだし、あとは終わった後、映画の解説とか、集まった人たちでコミュニケーション取れるような、そういう時間も用意しているので、ぜひ気になった方は、中目黒の町を散策して、ご参加いただけると嬉しいなと思います。あとちょっと先なんですけど、ビール、サッポロからキノ・イグルーのビール、「映画の余韻」というビールが出ます。あと11月には、20年目にして初めての本もKADOKAWAから出ますので、そのあたりもちょっと心の片隅に置いておいていただけると嬉しいです。では、夏終わりの「ニューシネマ・ワンダーランド」は以上となります。では、みなさん、また来月お会いしましょう。どうもありがとうございました!
渡辺:ありがとうございました! おやすみなさ~い。


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選者:キノ・イグルー(Kino Iglu)
体験としての映画の楽しさを伝え続けている、有坂塁さんと渡辺順也さんによるユニット。東京を拠点に、もみじ市での「テントえいがかん」をはじめ全国各地のカフェ、雑貨屋、書店、パン屋、美術館など様々な空間で、世界各国の映画を上映。その活動で、新しい“映画”と“人”との出会いを量産中。

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有坂 塁(@kinoiglu)/渡辺順也(@kinoiglu_junyawatanabe